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双女神と精霊の憎しみ ページ25

「憎んでる……?」

 ニコニコと笑いながら告げたルナーリアの言葉に菫とシェリルは目を見開いて固まった

「はい」

「笑顔で言うことじゃないよ」

 女神=優しい、なんていう図が成り立っているが全く以てそんなことはない。寧ろ、精霊以外には興味がない女神ばかりだ。基本的に薄情なのだ、女神という生き物は。唯一の例外といえば、初代女王・メリルローズ様と女王と同じ"女神の力,,を持つルーちゃんくらい。二人は、魂の操作という"女神の力,,を持つが故に生きとし生けるもの全てを愛している。憎しみや苦手意識はあれど、根底には生きとし生けるものに対する慈愛がある。それ故に動物などに愛される。女神族・魔神族・妖精族・巨人族・人間よりもずっと霊的エネルギーに敏感な動物は、外見や上辺だけで判断しない。それは、精霊も同じで魂が荒んでいる人には近づかない。そして、精霊はとても仲間意識が強く、一度仲間を裏切った者に対してはとても警戒心が強い。一度失った信頼を回復させるには、軽く1000年ほど必要だろう

「あの…どうして……?」

 エリザベス姫と仲の良いシェリルが戸惑いながら問いかける

「あの二人は、ルティお姉様を裏切りました」

「でも…それは私のせいで……!」

「今回だけではありません。ずっと昔からお姉様を裏切り続けているのですよ、あの二人は。…ねぇ、おかしいとは思いませんか?どうして、愚か者の不始末をお姉様が責任を取らなければならないのでしょうか?わたくしは何をされてもあの二人を許すつもりはありませんし、『精霊の森』にすら踏み入らせるつもりもありません。それだけのことを、二人はしたのですから」

"…ごめんね、アリー。私、もう限界,,

 自ら命を絶った(・・・・・・・)あの日以来、ルーちゃんは心の底から楽しそうな笑顔や嬉しそうな笑顔を見せなくなった。よく見ないと分からないが、いつも空っぽな笑顔ばかり。〈真実の鏡〉越しで見た一人になったルーちゃんの顔は一切の感情が抜け落ちて生気が宿っていない。あれから2000年は経った今でも、それは変わらない

 まぁ…メリオダスとエリザベス姫だけに非がある訳じゃないんだけど。半分半分(フィフティフィフティ)ってとこかな

 けれど…ただ一つ言えることは_______……

"もう…疲れちゃった……っ,,

 メリオダスとエリザベス姫の度重なる裏切りが、彼らの無神経な言動が、一人の少女を殺したということ

精霊界の時間の流れ→←恵まれていることと幸せなこと



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作者名:アストライアー | 作成日時:2021年7月24日 0時

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