氷の華 (ページ3)

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2話ページ3

氷屋敷を出てから5分。

柱合会議は急ぐべく、冰から説明を受けながら足早に移動していた。

産屋敷邸までの通り道には朝市を通らなければいけない。

朝市では出来立ての食べ物などが売り出されており、大繁盛していた。

そこでAはふと、自分が朝飯を食べていないことに気づいた。

冰「それでこの鬼を連れた少年は………ってどこへ行く！！」

冰の説明の途中で急にいなくなり、市の方を見ると屋台で何かを買っていた。

『すまない、朝飯がまだだったから団子を買ってきた』

冰「…………遅刻しても知らないからな」

『じゃあ遅れないように走って行こう』ﾓｸﾞﾓｸﾞ

呆れる冰を尻目に、走りながら団子を食べ進めるA。

ちょうど団子も食べ終わりそうな頃、産屋敷邸に着いた。

庭園の方に向かおうとしていると、何やら騒がしい。

「胡蝶様申し訳ありません！！」

『……胡蝶殿に何かやらかしたのだろうか。』

そんなことを思いながら急いで駆けつけると、風柱が木箱を持っていた。

それに対して離せ縛られている子が怒っているようだ。

『(あれは一体誰なんだろうか……？)』

そんな呑気なことを思っていると風柱の怒号が聞こえた。

不死川「そんなことはなァあり得ねえわだよ馬鹿がァ！！」

そう言いながら木箱を日輪刀で刺そうとしている。

『(これは止めた方がいいな)』

そう思ったAは音速でさっきの団子の串を風柱に向けて投げつけた。

不死川「うぉ！！」

なんとか間一髪で避けることができたようだ。

『不死川殿、勝手な行動は控えた方が良い。この件はお館様のお考えがあるのだ。』

そう言いながら、風柱から木箱を取り上げた。

不死川「チッ！」

甘露寺「(キャー！Aちゃんかっこいいわ！！)」

取り上げた木箱を縛られている子に返していると、蟲柱がいきなり話しかけてきた。

胡蝶「ところで九条さん。」

『なんだ？』

胡蝶「どうしてそんなにおでこが赤いんですか？」

『……寝坊して鴉に起こされたからだ。』

そういうと、一斉に何やってんだこいつという目で見られた。

縛られている子に関しては本当に柱？？とも思っているようだ。

『……すまない。何も無いと思ったんだ。』

甘露寺「(寝坊しちゃうなんて可愛い！！)」

静まり返った庭園に声が響く。

「お館様の御成です」