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結局、競争には俺が勝ち、先輩にかき氷を奢らせて二人で食べたあと、帰路についていた。
「あ〜！！楽しかったぁー！なぁ？ショッピ？！」
そう、あんまり嬉しそうに言うもんだから、俺もその先輩を見て、思わず顔が綻んだ。
「……そっすね。また、行きたいっす、遊びに、」
「お？何や、今日はやけに素直やなあ、どうしたん？」
「ぅ、そんな事無いっすよ、」
そう、悔し紛れに言えば、先輩は、何かを懐かしむような目で遠くを見て、
「そっか、ショッピが楽しんでくれたんやったら良かったわ、」
俺は、そんな悲しそうな顔をした先輩が、何を思ってそんな顔をしたのか、分からなかった。
すると、先輩が突然、
「あ、猫や！」
と言った。
先輩が指差した方向を見ると、そこには、
「……っ！？」
赤眼の黒猫がいた。
その猫を見た瞬間、俺は何か得体の知れないものに、恐怖を覚えた。
しかし、その恐怖の存在を確かめるすべを探す必要は無かった。
その猫は、先輩が近づくと、道路に飛び出してしまった。
先輩は、迷わず猫を助けようと、道路に飛び出した。
その時、俺の視界の端に写ったのは、
「……っ！先輩！赤信号っ！」
紅く光るランプと、轟音と共に先輩に迫る、大型トラックだった。
そのトラックは、俺の叫びによって我に帰り、横断歩道の真ん中で立ち竦んだ先輩を、見るも無残に薙ぎ払った。
否、薙ぎ払ったのならまだ良かった。
トラックは、先輩を引きずったままで、100mほど進んでから止まったのだ。
事故に気づいて代わりに通報してくれた人や、事態に気づいて叫んだ人もいた。
でも、その喧騒は俺の耳には届かず、視線はほんの10数秒前まで、先輩だったものを見つめたまま、固まっていた。
だが、俺は見た。
先輩の横で、酷く先輩の姿に似通ったナニカが、ニコニコと嗤っていた。
その頃には、もう、救急車が来ていた。
もう、遅いよ。
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タユ(プロフ) - コメントありがとうございます！やっぱり気付いちゃいますよね（笑）読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m (2019年11月17日 14時) (
レス) id: 411f2f68cb (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - ふふふ、カゲプロ厨の私には初めの日付から予測してたで、そして今回のも最高でした。好きです。 (2019年11月16日 1時) (レス) id: f24a827419 (このIDを非表示/違反報告)
タユ(プロフ) - 吉山田きのこさん» コメ返遅れてすみません！そして、コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！カゲロウデイズって本当に曲も小説も感動しますよね、、読んでいただいてありがとうございましたm(_ _)m (2019年8月1日 16時) (レス) id: 2a27eba7c0 (このIDを非表示/違反報告)
吉山田きのこ(プロフ) - ああああああ辛い、辛すぎる.....目から塩水がああ...とても素敵でした...文章も読みやすかったです。 (2019年7月24日 22時) (レス) id: d8304cf352 (このIDを非表示/違反報告)
タユ(プロフ) - ﾄｼさん» コメントありがとうございます！私などの作品に二人も泣いてくださっただと……！本当に読んでいただき、ありがとうございました！これからもタユをよろしくお願いします（誰だよ） (2019年7月22日 20時) (レス) id: 2a27eba7c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タユ | 作成日時：2019年7月14日 15時
