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休憩後、稽古を再開したんだけど…
「あんた、そこ私の位置と近い！ぶつかるんだけど！」
貴方「すみません」
ええ…貴方ずっと立ってるだけでしょ…？
私はセリフとか他の役者との絡みでこの場とりたいのに…
とか思うけど何も言わず謝っておく
…立ち位置考え直さなきゃ
こんな事が続いて私がお芝居を止めてしまう事が多かった
晴翔「……」
レニ「やってるか？」
「「主宰、おはようございます！」」
予定通り神木坂さんが稽古場に来た
私は皆んなに合わせて同じタイミングで同じ角度の礼をする
レニ「A、様子を見に来たよ。上手くやってるか？」
貴方「学ぶことばかりで到底お力添えできているとは言えません」
レニ「ハハ…そうか。まあ、最初はそんなものだ。ところでこの前言っていた曲の件…どうだ？」
貴方「…すみません。全然進んでません」
レニ「稽古も忙しいし仕方ないか…では今日は稽古を休んで作曲の方に力を入れてくれ」
貴方「でも…」
今も私のせいで止まってしまっている稽古を私が抜けていいわけない
レニ「お前ならやれるだろ？期待しているよ」
そう言って神木坂さんは稽古場を出て行った
貴方「…すみません。曲は必ず明日までに仕上げるので今日の稽古やらせてください」
私は役者の皆んなに頭を下げた
晴翔「は？それで仕上がんなかったら俺らのせいになるんだけど？」
貴方「必ず仕上げます」
そしてその日の稽古はやることになり、夕方、曲作りに励んでいた
貴方「…んー…良いのが出てこない…明日までにやらないといけないのに…」
気分転換もかねて、稽古場近くの中庭に来ていた
ギターを抱えてベンチに座ってと五線譜と睨めっこ
今回の脚本はコッテコテのラブロマンス
派手な演出でGOD座らしい
綴さんの脚本のが断然良い
ラブロマンスね…
太一君の事でも思い出したらいいのかな…
目を瞑って彼の事を思い出す
一緒にテスト勉強した時のドキドキした気持ち
遊園地デートした時の楽しかった思い出
お芝居に真剣に取り組む横顔
そして、一番大好きな彼の笑顔ー・・
気づけば頬に涙が伝っていた
あれから肌身離さず持っている彼とのペアストラップを握りしめる
……会いたいよ、会いたい。
あれから太一君を想わない日なんて一日だって無かった
私はいつの間にかこんなにも彼を好きになっていたんだ…
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作者名：カリン | 作成日時：2017年9月7日 21時
