1.過去のキオク ページ2
チュンチュン…
日の光が、さんさんと降り注ぐ朝
亜利沙の最も好きな時間であり
苦痛が始まる合図でもある
亜利沙(どうせ、母さんは仕事だし…
パン一枚でいいか…)
亜利沙は階段を降り、顔を洗い…鏡を見た
亜利沙は「我ながら綺麗な顔」だと
いつも思っていたが、
別にこの顔が好きと言うわけでも
なかった
ガランとしたリビングに一人
パンを食べ、学校の支度をした
上等な布で出来た制服…
一つだけの高価なもの…
元々 亜利沙の家は、ある名家で、
亜利沙はお嬢様だった
数年前までは…
3年前 亜利沙の父親は成仏し、会社は倒産
その上 多額の借金を背負い…
家を売り払った
思い出と共に…
まだ中学生だった亜利沙は、
父親の死をすぐ受け止められなかった
ただひたすら、泣いていた
思い出に浸り続けて…
高校生になり、『家を売り払う』と
聞いたときは「ちょうどいい」と
亜利沙は思った
この行き場のない悲しみと思い出を
振り払うチャンスだったから
ただ、悲しみと思い出と一緒に
もうひとつ捨ててしまったものが
亜利沙にはあった
【感情】…
家を売り払ってから
亜利沙は笑わなくなり、怒らなくもなった
母親の前ですら…
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胡蝶(プロフ) - 新アカウントにしたので、こちらからお入りくださいませ。 (2017年1月14日 21時) (レス) id: 3a0ac71f56 (このIDを非表示/違反報告)
弥宙(プロフ) - 大丈夫!?お大事にね (2016年5月8日 23時) (レス) id: 8067673ccc (このIDを非表示/違反報告)
弥宙(プロフ) - 田島さんを思い出した。そして、赤の女王怖ぇ。 (2016年4月24日 10時) (レス) id: b6e82586c0 (このIDを非表示/違反報告)
弥宙(プロフ) - 続き気になります!! (2016年4月2日 23時) (レス) id: 8067673ccc (このIDを非表示/違反報告)
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