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ミカンとおやこ あらすじになった ページ1

「みて!みてコレ!このミカン!」
「あ〜、美味しそうだね」
「ぜったい、おいしいよ!」
この親子は今日、ミカン狩りに来ました。
 バスでの道のりは、長いものでした。
途中で子供がずっと座っているのに疲れ、ぐずってしまった時はとても申し訳なくなった母親とその空気をなんとなく感じとった子供。それも二時間前のこと。でも、いまはそんなことも忘れて二人ではしゃいでいる。
「ミカンたくさん持って帰ろうね」
「うん、それでお父さんにもたっくさんたべてもらうの!」
「絶対喜ぶね」
お父さんは今日、仕事です。
いつも疲れて帰ってくるお父さんに元気を出してもらうために、ミカンをたくさん持って帰ろうと。考えたわけです。
二時間、頑張ってたくさん取ったミカンたち。
もうバスに乗る時間です。
「…バスでちょっとだけ、たべてもいい?」
「これはお父さんだけでは、全て食べられそうにないからね」
と言った母親の両腕の中には袋に入った沢山のミカンが抱えられていました。
「家に帰ってお父さんといっしょに食べる分と、今、少し食べる分でわけようか」
「ただし、三個まで。いい?」
「はい!」
と子供がおまわりさんの敬礼のように、額に手をあて、勢いよく返事をするのでした。そうして二人でミカンを頬張り、家に帰るのでした。
 ミカン狩りから帰ってきて早々、とても楽しかったらしく、子供は疲れて眠ってしまいました。そのちょっと後に、お父さんも帰ってきて、一緒に三人。川の字で眠りました。

心が満たされた気がした時→



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作者名:桂江多 | 作成日時:2022年6月5日 12時

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