GENERATIONS LOVER

翻弄上手 -Ryota.K- ページ5

「Aさん、おかえり！お仕事お疲れ様〜」


玄関を開けると、エプロン姿の涼太くんがパタパタと駆け寄ってくる。


『ただいま。…本当にごめんね。せっかく涼太くんがオフだったのに、休みとれなくて』


年下の彼氏の片寄涼太くんは、GENERATIONSとして芸能活動で多忙な毎日を送っている。

今日は本当に久しぶりに涼太くんが1日オフで、私も有給をとるつもりでいた。

…なのに今日に限ってどうしても外せないプレゼンがあって、結局いつも通り朝から晩まで働きづめ。

涼太くんに謝罪の連絡をいれたら、私の家で晩ご飯を作って待ってると言われて…お休みを無駄に過ごさせてしまった。


「いいのいいの。俺も久々にAさんの家来たかったし、お家デートだよ！」


ニコニコしながら話す涼太くんを見ていても、申し訳ない気持ちしかわいてこない。


「ほら、ちゃんとご飯あっためて待ってたし！はやく食べよ？」

『…ふふ。やっぱりこれなんだ』


エプロンを翻して私をキッチンまで連れて行った涼太くんが得意げに見せてきたのは、鍋いっぱいの肉じゃが。

あまり自炊をしないと言っていた涼太くんに少しずつ料理を教えている私が、最初に涼太くんにマスターさせたもの。


「だってこれが一番自信あるんだもん」


ぷくりと頬を膨らませる涼太くんを横目に、行儀が悪いと思いつつも一口だけつまむ。

私が教えたのに、私が作ったものとは全く違って…とっても優しい味がする。


『うん、やっぱり肉じゃがは涼太くんには勝てないなあ』

「…やっぱり？今日のは今までで一番自信あったんだ〜」


そう言いながら、涼太くんは私の手をとって肉じゃがをつまんだ指を舐めた。


「うん、やっぱり美味しい」

『ば、馬鹿っ』


へにゃりと笑って見せる涼太くんのほうなんて見れなくて手を引こうとすると、逆に引っ張られて涼太くんの胸にすっぽりと収まってしまう。


「俺、Aさんのことも食べたいなあ…」


耳元にそう吹き込んでくる涼太くんの吐息にドキドキして、全身の血液が煮えたぎっているみたい。


『な、なっ…』

「…………なーんて、ね？ほら、はやく食べなきゃご飯ほんとに冷めちゃうよ。先に着替えてきて？」


パッと私を解放して寝室のほうに背中をポンと押してくる涼太くん。


「ま、後でAさんもいただくけどね」


ボソリと呟いたそんな声も筒抜けで、また顔が熱くなる。

…年下の彼に翻弄される日々は、まだまだ続きそうです。

私だけの -Mandy.S-→←Reason -Yuta.N-

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