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「SHINOってさ、俺と同い年でしょ?18歳!」
『え、そうだけど…なんでわかるの』
「んー…勘?なんか同い年の匂いがした」
「それ、どんなだよ」
「龍友くんもわかんない?なんかさ、同い年の人と会うとたまにこう…ビビビ!ってくるっていうかさー」
「全然わからん」
『僕もわかんない』
某牛丼屋の隅の席を陣取って行われたプチお食事会は予想以上に楽しかった。
隼の自由すぎるトークに龍友兄がノリつつ、時には冷静にツッコミをいれる。
話の内容は正直どうでもいい馬鹿な世間話みたいなものばっかりだったけど、名前以外全てを伏せているせいで最近は会話というより質問責めに近いやりとりしかしていなかった僕にはそれがとても心地よくて。
久しぶりに涙が出るほど笑った気がする。
『隼やばいわ…』
「えーそう?でもSHINOもやばいよ!」
「お前ら意外と気合うな」
『意外ってなにさ龍友兄』
「だって性格全然違うだろ」
『感性だよ感性。たぶん一緒なの』
同意を求めるのに隼の方を向くと、隼は目を数度瞬いてきょとんとしていた。
…僕、何か変なこと言ったかな。
「龍友兄って…」
あ、それか。
いくら隼相手でも龍友兄呼びはまずったかも。
仲良くなりすぎて忘れかけてたけど、僕あんまりそういうの出しちゃ駄目なんだったな…。
どう言おうか迷っていると、最初に口を開いたのは意外にも隼だった。
「なんか龍友くんばっかり特別でズルい!俺もそんなんがいい!」
『…隼弟?』
「違うよ!そこは隼兄とかさ!」
『いや、隼同い年じゃん』
「そうだけどー!」
前言撤回。
隼的には気が合うか合わないかが重要で、僕が何者かとかどうでもいいんだな。
すごく、楽だ。
「あれ、SHINO今日何時にHIROさんに呼ばれてんだっけ?」
散々喋り倒して、龍友兄がそう切り出したころには時刻は午後2時をまわっていた。
『んーと、3時。そろそろ事務所戻らなきゃ』
「うわー、俺もっとSHINOと話したかった!」
そう言ってあからさまに残念そうな表情をしていた隼が、突然あ!と声をあげた。
「SHINO、LINE教えてよ!そしたらまた話せるし!」
あー、LINE。
普通にプライベートのアカウントしかないし、どうしよう。
そう思っていると隼がまたキラキラした目で僕を見ていて。
…僕、その目に弱いからやめてよ。
結局流れで隼とLINEを交換してしまった。
…まあ、隼だし大丈夫か。
こっちの世界では初めてのちゃんとした”友達”だし、特別。
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ゆと(プロフ) - 片寄画伯さん» 5で明言していますが、主人公は女性です。紛らわしくてすみません…。 (2014年11月26日 23時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
片寄画伯(プロフ) - 主人公は女ですか? (2014年11月26日 23時) (レス) id: 85bff416cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» ありがとうございます。短編も長編も頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2014年11月24日 0時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - ゆとさん» あらすじを決めるまでがスランプなんですね、笑 結局、何も分からないとスランプにはなるもんなんですね。笑← 短編も見てます!めっちゃ面白いです。両作品これからも頑張ってください!応援してます。 (2014年11月23日 21時) (レス) id: 7d48793382 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - 乃愛さん» 他の作者さんの作品もたくさん読みますよ!他の人が書いたもののほうがやっぱり面白いので…笑 私はあらすじを決めるまでに結構悩むので、お話が思いつかないとスランプにもなりますね…。今は短編にも挑戦しているんですが、やっぱり小説を書くのは難しいです。 (2014年11月23日 10時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆと | 作成日時:2014年10月28日 11時