新聞部 ページ46
愛美「うっわ、すごい顔」
A「開口一番がそれなの!?酷いよ…。振られて傷心の私を慰めてよ…」
一晩だった程度では人の傷心は癒されない
昨日の事を反芻しては
悲しい気持ちになって泣くのを繰り返す
だからこの顔なのだ
愛美「いやいや、まだ振られてはいないでしょ。ちょっと泣かないでよ」
A「似たようなもんでしょ…」
愛美「ほーら、機嫌直して。Aの好きな猫ちゃんですよー」
愛美は部室には不似合いの
ファンシーなぬいぐるみを出してきて
Aに押し付ける
A「子供扱いしないでよ…」
文句を言いながらも
抱きしめるのに調度いい大きさの猫を
抱え顔を埋めて嗚咽を漏らした
わざわざ顔を埋める部分に
ハンドタオルを当てるのを忘れずに
愛美「ねえ、あんた意外と余裕あるでしょ?ぬいぐるみ濡らさないようにハンドタオル当てるくらいには理性的じゃん」
A「それとこれとは別問題だもん。ぬいぐるみの毛並みが濡れると可哀想だし、抱きしめ心地も良くないんだから」
ぬいぐるみに顔を埋めたまま
くぐもった声で答えたAを
軽くあしらって愛美は取材を始めた
愛美「はい、じゃあ精神安定剤は抱きしめてて良いか話し聞かせてね」
A「ほとんど話したよ」
愛美「概要はでしょ。そうじゃなくて詳しく」
愛美に聞かれるまま質問に答え
満足する頃にはAはぐったりとしていた
A「満足…?」
愛美「満足満足。でもあれだね。今東卍微妙な立場らしいし。Aも気をつけな」
A「どういう事?」
愛美「新宿仕切ってるって言うあんまりいい噂を聞かない暴走族のチームが東卍と小競り合いしてるって話。まだ本格的にはぶつかり合ってないけど、ちょっとした火種で大っきい事件になるかもって感じ」
A「何それ。新聞部ってすご。そんな事まで調べるの?」
愛美「ハッハッハ。趣味みたいな物よ。恐れ入ったか。Aも新聞部のはずなんだけどねぇ…」
A「あぁ、あの部の存続の為に兼部で良いから名前貸してくれって言われたやつね」
愛美「仕方ないでしょ。部の存続に部員が5人必要だったんだから」
実質活動しているのは愛美1人で
ほかの4人は私を含め名前貸しの幽霊部員
故に新聞部は愛美の私物と化していた
A「悪いヤツめ」
愛美「そのお陰で匿ってあげるんだから感謝しなさい。まぁ一応部員だし、今日はここ好きに使っていいよ。私は授業に出て来るから」
A「助かりました」
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くらら(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます (2022年6月12日 13時) (レス) id: 10f98cb4da (このIDを非表示/違反報告)
あ - 三ツ矢ではなく三ツ谷です…。作品自体は面白いので少し勿体ないような気がしました🙇♀️💦 (2022年6月12日 12時) (レス) @page5 id: 645db5c9a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらら | 作成日時:2022年5月30日 3時