東京リベンジャーズ【さだめられた運命の中で】2

海7 ページ17

A｢私もう行くから｣

離れていこうとするAの手を掴み
必死で引き止める武道

武道｢待って！三ツ谷君後悔するんすよ。大事な人を2人も失って、ダメになっちゃうんすよ。あんなかっこいい人がダメに。人生棒に振っちゃうんすよ！あんな辛そうな三ツ谷君、俺見てられないです。Aさん、自分を大事にして下さい。もう時間がないんです｣

錯乱するように意味不明な事を羅列して
取り乱す武道にAの方が怖くなり
手を振りほどこうと暴れる

A｢ちょ...やだ、離して、怖い｣

武道｢頼むから、『逃げて』下さい！捕まらないで...。この幸せな時間を消さないで｣

A｢は...？｣

『逃げる』か『逃げないか』
確かにそれがAに与えられた選択肢だ
だがそれは三ツ谷とAしか知らない選択肢でもある

涙を流し取り乱す武道を
途端に冷静になった顔で見つめるA

A｢待って、武道君。待って！私をよく見て、ちゃんと話して｣

多少落ち着きを取り戻した武道が語ったのは
情報元は明かせないが
近い将来内部抗争が起こり
その事件でドラケンが死ぬかもしれない
その時同時にAも別の事件に巻き込まれ
命を落とすかもしれないと言ったもの

単純に頭でもおかしいのかと思ってしまう

A｢えっと...頭...大丈夫？｣

武道｢信じてくださいよ...｣

A｢いや、だって、もうマイキー君とドラケン君の喧嘩は終わったんでしょ？なんで内部抗争が起きるの？｣

武道｢...あれ...そっか。メビウスとの抗争はもう終わって...。あれ？じゃあ...皆助かった...｣

取り乱したり泣いたり喜んだり
情緒不安定にも程がある

A｢ちょ、ちょっと、早く泣き止んでよ！私が虐めてるみたいじゃない｣

ドラケン｢何やってんだ？お前ら｣

ヒナ｢武道君泣いてるの！？｣

A｢いや、これは...｣

三ツ谷｢修羅場か？｣

A｢ふざけないでよ！｣

武道｢い、いや、これは俺が勝手に...｣

ヒナと一緒に離れていく武道のポケットから
何かがこぼれ落ちた

A｢武道君、何か...｣

拾おうと手を伸ばし
その手前でピタっと手を止める

なんで...

それは星の砂が入った少し古びたカメのキーホルダー

同じものをAと三ツ谷も持っている

なんでこれが...

もしかしたらたまたま同じものを
武道も持っていたのかもしれない
そう思い拾おうと再度手を伸ばす

Aの指先が触れた瞬間
そのキーホルダーは砕け散り
指先に吸い込まれるように消えた

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