空から絵描きが降ってきた【th】 (ページ30)

今日:73 hit、昨日:89 hit、合計:29,510 hit

30 ページ30

.

「防弾少年団………??」

グラスを手にとって僕の方を振り向いた彼女。

僕の顔をじっと見た後、ゆっくり目を見開いた彼女がそう溢した。

僕も思わず目を見開く。

彼女の頭には何が浮かんでいるんだろう。開いた口が塞がっていない。

『あ〜きがつきましたか…？』

「あっ…いや…なんていうか…。友達が……。」

友達？あぁともだち。友達が僕らのファンだったのかな？

その時誰かが家に入ってきた気配がした。

『お！テヒョン帰ってきたかな？』

「テヒョン……」

僕の親友の名前を口にして首を傾げている。

『ただいまぁぁ』

主が呑気に帰ってきた。足音から察するに廊下をスキップしている。

ご機嫌だなぁ。

君の天使お前のこと知ってたみたいだよ？

そういったらどんな顔するのかな……

テヒョンがリビングのドアを開けた。

『お？これどういう状況？』

『テヒョンおかえりー』

「あ…おかえりなさい…。」

相変わらず彼女はグラスを持ってキッチンに突っ立ったままだ。

「あ…テヒョンさんも、ソーダ飲みますか…？ソーダ…」

グラスを持ち上げるジェスチャーと一緒にテヒョンにそう尋ねている。

『あージミンのソーダ！ぼくのみます』

そう言って僕の隣りに座った。

月明かりがテヒョンの横顔を照らす。

相変わらずかっこいいなぁこいつ。

「お待たせしました。」

『ありがとう』

微笑んでソーダを受け取る。僕らの事を知っているとわかった以上、下手な行動はできないかも。

何も知らないいつも通りのテヒョンの横で、無意識にアイドルのスイッチが入った、気がする。

ぐっとソーダをあおる。爽快。

彼女は僕らから少し離れて腰を下ろした。控えめにソーダを飲む。

『それで〜どうですか？ふたりなかよくなりましたか？』

『お〜ぼくたちなかよくなりましたよぉ』

何故かお互い日本語で話し合う僕らを見てAさんが微笑んだ。

と思ったら緊張して強張った表情になった。

『A、どうしましたか？』

「………ジミンさんは防弾少年団のジミンさんですか？」

横の親友の目が見開かれた。

……え？僕だけ？僕オンリー？

.