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時計がちょうど23:00を示したタイミングで、家のオートロックが解除される音がした
夜に1人でいると些細な音もよく聞き取れる
いつも玄関まで迎えにはいかない
鼓動が早くなるのを感じながら広いリビングのソファに座って主を待つ
談笑する声が近づいてくる
『ただいまぁーAちゃん!』
にこやかに変わらず抜群に整った顔をのぞかせたここの主、テヒョンさん
と、
『A…?誰かお客さん?…ってえ?!』
「わぁ……」
彼とはまた違ったタイプの美形、可愛らしくもどこか妖艶な雰囲気を感じる顔立ちに華奢なスタイル
あまりの綺麗さについ声が漏れてしまった
でもどうしてだろう…どこかで見たことがあるような気もする
『へへっジミナ。紹介する、僕の天使、Aちゃん』
へらっと笑うテヒョンさんをよそに開いた口が塞がらない友達さん
「…
今日知りたてほやほやの言葉を挨拶として彼に伝える
『
「あ…えっと……」
韓国語で返ってきたアンサーにこたえられなかった私
少し戸惑った顔をした後、すぐ笑顔を作って“はじめまして“と日本語で話しかけてくれた
テヒョンさんの友達は全員美形で日本語がお上手なんだろうか
あまりのハイスペックぶりに開いた口が塞がらない
類は友を呼ぶの最上ランクにお目にかかれていると思う
『…………』
『テヒョナ、どうしたのさっきから黙ってるけど』
難しい顔をしてうつむいている彼にお友達が声をかけた
雰囲気から察するにどうしたのって様子を覗っているような言葉をかけていた、気がする
『………Aちゃん、ジミナ、こっちで話しましょう!』
テヒョンさんは彼自身の中で何か解決したような顔をして、私達をソファのほうに引っ張っていった
え…何?ついに人身売買的なの始まってしまう……?
この生活も徐々に受け入れ始めているとはいえ、拭いきれなかった不安が再び襲ってきて少しずつ息が苦しくなる
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作者名:ゆた | 作成日時:2022年10月2日 18時