カラフルボックス２ (ページ2)

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「怒られました。三浦先輩に」

「そりゃそうだろうよ」

「馬鹿な事を言いました…」

「本当だな」

A。お前は1人でこの試合を戦っていたのか？

手刀に驚いて顔を上げて見たのは、三浦先輩の俺に対する咎めるような視線。
そして、その言葉だ。

困惑する俺に三浦先輩は大きな溜息ひとつ吐いて、言ってくれた。
確かにお前はうちのエースだ。だけど、負けをお前だけのせいにするつもりはない。
お前が、負けたんじゃない。うちのチームが、負けたのだ、と。

「これ以上自分のせいだと言うならぶん殴るって言われました…」

「殴られたのか？」

まさか、と首を振った俺の頭をベンチの隣に座りながら撫でてくれたのは、試合を見に来てくれていたマサさん。

4年の先輩にとって最後の大会。
リーグ戦で上位2チームに入り入れ替え戦となった今回、上の部へ昇格を目指して挑んだが最終セットまでもつれ込んで、結果は負けで残留。
うちの部はずっと昇格を目標に掲げて来ており、その目標の達成が目の前に来ていただけに落胆度合いは大きかった。

「俺のせいだという思いはやっぱり完全には拭いきれませんけれど、それでも三浦先輩に言われた言葉はちゃんと理解しています」

バレーはチーム。
一人では出来ない。
全員の力が集まって、初めて本来の力が出せる。

それは、ちゃんと理解しているんだ。

ー