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「ごめん。今は誰とも付き合うつもりは無いんだ。それに柳泉の事は友人としか見てない」
予想はしていたとはいえ、突き付けられた言葉に胸が締め付けられ、涙が滲みそうになるけれど、拳を結んでぐっと堪えた。
「友達から、昇格する可能性はある？」
「……どうだろう？」
あるかもしれないし、ないかもしれない。
そう言ってくれた柳田くんは優しい。
なるべく傷付けないようにと優しい言葉を選んでいる。
きっと今まで柳田くんに告白して来た子達の中には、この答えに淡い夢を抱き続けている子もいるだろう。
「分かった…」
これまでのあたしなら、ここでこの恋は終了だと諦める方向に行っただろう。
でも、でもね？
窮鼠猫を噛むじゃないけど、臆病者がリミッターを外したら、予想外の力を出すんだよ？
「じゃあ…」
足元に並べたたくさんの言い訳を飛び越えて、走り出した勇気と覚悟はあたしの背中を押す。
「これから私は柳田くんに好きになって貰えるように頑張る」
僅かにでも光があるのなら、それを掴み取る。
「柳泉？」
柳田くんを想った日々はあたしを強くした。
「だから」
今日よりもっと、明日よりずっと、柳田くんにあたしを好きにさせる。
「覚悟しといて！」
挑戦状を叩きつけるように拳を真っ直ぐ向けると、柳田くんは虚を突かれたようにキョトンとしたけれど、すぐにふわりと笑ってくれた。
「意外」
「な、何が？」
「柳泉がこんな事を言うなんて」
もっと大人しくて、自己主張が苦手なタイプだと思ってた。
そう言った柳田くんに間違いはない。
ほんの少し前までのあたしは正にその通りだった。
でもね、あたしを変えたのは他でもない柳田くんなんだよ？
「誰かを好きになるパワーって凄いんだよ」
「そっか」
そうだよ、と胸を張ったあたしに柳田くんは少しの間瞳を閉じた。
「柳泉」
再び私を見据えた瞳は挑戦的で、バレーの試合中の柳田くんを正面から見たらこんな感じなのだろうかと思った。
自信に満ちた、強い光を宿した瞳。
「なに？」
「売られた挑戦は買うよ。
だから、俺を好きにさせてみてよ」
「っ！勿論！」
ドラマや漫画のように「実は俺も」なんて奇跡は起こらなかったけど、いつか柳田くんから「好き」と言って貰えるような人間になるから。
ここから始まる、あたしと柳田くんの恋愛ゲーム。
【end？】
終わり
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リッカロッカ(プロフ) - 花蓮さん» コメントありがとうございます！もう良過ぎです！（笑） (2015年10月25日 13時) (
レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
花蓮 - とっても面白いです！良いですよね〜柳田君 (2015年10月25日 12時) (レス) id: b02621fbce (このIDを非表示/違反報告)
リッカロッカ(プロフ) - ゆんさん» 速水です。コメントありがとうございます！大好きと言って頂けてもう感激です！続編もまとまったら掲載しようと思います！ (2015年10月24日 23時) (レス) id: b15315e85f (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 速水さんが書くお話全て大好きです。個人的には、この二人の今後が読みたいと思いました。そのくらいハマってしまいました(*´ω｀*) (2015年10月24日 21時) (レス) id: 23a8fe0fb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：速水 | 作成日時：2015年10月10日 19時
