検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:136,729 hit

赤い管 -キュヒョンside- ページ32

誰も何も言葉を発しないまま、
もうどのくらいの時間が過ぎただろう。
 
 
ヒョンは変わらずその場にうずくまっていて。
 
トゥギヒョンは嗚咽を堪えて泣いていた。
 
 
噛み締めた唇が切れたのか、
口の中いっぱいに小さな痛みと血の味が広がる。
 
 
 
Aはどれ程の痛みだったのか…。
どんな気持ちで、その切っ先を受け入れたのか。
 
 
考えるだけで息が止まりそうになる。
 
 
 
 
 
看護師「血液が足りません!!輸血の準備を!!!」
 
 
勢いよく開いた扉から、
看護師が俺たちに向かって叫んだ。
 
 
看護師「どなたかA型の方はいませんか!!?」
 
 
「俺です!A型です!!輸血できます!!!」
 
 
立ち上がって叫び返した俺に続いて、
トゥギヒョンも同じく名乗りを挙げる。
 
 
看護師「どちらか輸血をお願いします!」
 
 
トゥギヒョンは俺の背中を少しだけ押して、
何も言わず頷く。
 
 
そして、
 
 
「キュヒョン…頼む。Aを助けてくれ…お願いだ……Aを…」
 
 
それまで微動だにしなかったヒョンが
掠れるような涙声で言った。
 
 

そうか、ヒョンは………。
 
 
 
俺は力いっぱい頷いて、
赤いランプの下をくぐった。
 
 
 
 
「俺の血、いくらでも使ってください。」
 
 

それであいつが助かるのなら。
 
生きていけるなら。
 
 
細い管が俺の血液を吸い取っていく。
 
 
 
少しだけ遠のく意識。
 
 
腕から伸びる赤い管を見つめて
…不謹慎だな。
 
赤い糸みたいだ。

 

背中 -イトゥクside-→←返してほしい -イェソンside-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (187 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
136人がお気に入り
設定タグ:SUPERJUNIOR , イェソン , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

揺葉(プロフ) - たんこまさん» たんこまさん、コメありがとうございます^^ 私の作品で感動していただけるなんて、本当に嬉しいです。私も時々、感情移入しすぎてしまって書きながら泣いています^^; これからもがんばりますので、ぜひまたお待ちしています!! (2012年10月8日 21時) (レス) id: 1fbf3b266b (このIDを非表示/違反報告)
揺葉(プロフ) - 亜季さん» 亜季さん、コメントありがとうございます^^ ミン君はほんとによく動いてくれる子なので、作者の私も嬉しい限りです(笑) 今後のミン君の活躍にもぜひ期待してくださいね^^ (2012年10月2日 13時) (レス) id: d5456a1848 (このIDを非表示/違反報告)
揺葉(プロフ) - じゅんさん» じゅんさん、コメントありがとうございます^^ 感動していただけたようで…そのお言葉が嬉しいです。不定期更新ですが、頑張りますのでぜひまたお越しくださいねww (2012年10月2日 13時) (レス) id: d5456a1848 (このIDを非表示/違反報告)
揺葉(プロフ) - 和美さん» 和美さん、あんにょん!お待たせしてましたTT 地味な更新になると思うけど、今度の展開にも期待してくれると嬉しいな^^ また待ってます! (2012年10月2日 13時) (レス) id: d5456a1848 (このIDを非表示/違反報告)
和美(プロフ) - これから何が起こるの?? (2012年10月2日 10時) (レス) id: 108f6b4293 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:揺葉 | 作成日時:2012年3月27日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。