君だけに歌うよ vol.8 〜SJ：Yesung〜

接触 -ﾄﾞﾝﾍside- ページ1

今日、俺たちはあの作戦を決行する。
　
　
　
ｳﾆｮｸ「…緊張する。」
　
　
ある意味仕事より緊張する。
嫌な汗が肌を伝うのが分かった。
　
　
俺が彼女を引きとめている間に
ヒョクが携帯をチェックする。
　
　

そう…極めて分かりやすい作戦。
　
　

言うのは簡単。
でも、相手が何人なのか分からない以上
この作戦は容易ではなかった。
　
　

ｳﾆｮｸ「まずは画像と、それから履歴だよね。」
　
　

この行為が犯罪だといわれると
言い訳できないけど。
　
　
それでも俺たちは、やめようとはしなかった。
　
　
俺たち以上に、
彼女のしてきた数々の行為の方が、きっと罪だ。
　
　
　
「なるべく長く引き止めるけど、それだけ確認したらすぐ出て。」
　
ｳﾆｮｸ「うん、分かった。」
　
　
　
　
　
全員での収録が終わり、
俺は彼女を呼び止めた。
　
そこにヒョクの姿は、ない。
　
　
「お疲れ様でした。」
　
ﾕﾆｮﾝ「あ、ドンヘさんお疲れ様です。」
　
　
　
ごく普通の会話。
指先に前と同じ痛みが走った気がした。
　
　
「この番組初めてだっけ？」
　
ﾕﾆｮﾝ「そうなんです〜。たくさんの先輩の前で歌うのは、やっぱり緊張しますね。」
　
　
当たり障りのない会話を繰り返したところで、
そう時間は稼げまい。
　
　
俺は賭けに出た。
　
　
「ねぇ、俺ってどう思う？」
　
　
前にキュヒョンがこの手を使ったと聞いた。
俺だとどう反応する？
　
　
ﾕﾆｮﾝ「ん〜、意外と純情そうですよね？違いますか？」
　
　
読みは悪くないね。
　
　
「はは、当たってるかもね。ユニョンちゃんは…怖いくらい一途そうだね。」
　
　
そう睨むなって。
まぁ、間違いじゃないからそんな怖い顔してるんでしょ？
　
　
ﾕﾆｮﾝ「怖いなんて！でも、感情が溢れて止まらなくなるんですよね。」
　
　
不敵な笑み…とでもいうのだろうか。
目の奥の冷たい何かが光る。
　
　
こいつ…。
　
　
指先に走った痛みが、一気に全身を駆け巡る。
俺の背筋まで到達したその瞬間。
　
　
　
　
ﾕﾆｮﾝ「ふふ、いつも一緒の相方さんはどこにいるんですか？」

　
　
　
マズい!!!!
ヒョク、もう戻れ!!

　
心の中で、ひたすらヒョクを呼んだ。

　
　
この時俺の体はもうすでに、
不愉快な痛みで埋め尽くされていた。
　
　

4つの数字 -ｳﾆｮｸside-→

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