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廉くんと別れて、マンションに向かいながら携帯を見ると捺香から着信があった。
メールも数件入ってて、慌ててメールを開く。
廉くんにご飯に誘われて『ご飯食べてくるから遅くなる』と送ったはずだったけど送信ボタンを押し忘れてて、捺香に届いていなかった。
何時に帰る？
今どこ？
何かあった？
何してるん？
誰と居るん？
最後の、もういいって言葉に背筋が冷やっとして慌てて電話を掛けるけど、呼び出し音だけで捺香は電話に出る事はなかった。
走って慌てて家に帰ると捺香はテレビを見てた。
「・・・・おかえり」
「・・・ただいま・・・・ごめん、メール送れてなくて。・・・今日バイト先に・・「もういい。別に何でもいい」
僕の言葉を遮って捺香が被せてきた言葉に会話が止まる。
お互い無言になって僕は立ち尽くしたまま、こっちを見ない捺香を見る。
「・・・何でも良くない・・・捺香？」
後ろから捺香の肩を掴んで振り向かせると、見た事無い無表情な顔をしていた。
怖くなって思わず彼女の両頬に手を添えて「ごめん、ちゃんと連絡できてへんかった。・・・心配させてごめん。・・・・捺香？」
再度彼女の名前を呼ぶけど彼女は表情を変えることなく一言、わかったって呟いた。
「いや・・・ちゃうやん。・・・・どうしたん？ごめん。・・・不安やった？」
表情も変わらない、怒ってもくれない彼女に必死で言葉を紡ぐけど、彼女は無言で首を振るだけで何の反応もしてくれない。
「・・・今日たまたま廉くんに会って、ご飯連れてってくれてんけど、メール送信できてへんかった・・・・不安にさせてごめん。・・・・なぁ？返事して？捺香？」
よく見ると彼女の口は微かに動いてるけど、言葉が聞こえない。
そのうち彼女の目から涙が零れて僕の手を濡らす。
慌てて親指で目尻を拭うけど、次から次へと涙が零れてきて、そのままきつく抱きしめる。
「捺香・・・泣かんといて？メール確認せんでごめん。不安にさせたんほんまごめん。一人で家に居させてごめん」
好きやで。
耳元で絞り出すように呟くと、微かに捺香の声が聞こえた。
・・・怖かった。
一言、聞こえた言葉に何度もごめんを繰り返した。
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あお(プロフ) - まなみさん» めちゃくちゃ嬉しいです！気持ちがコロコロ揺れ動く斗亜くんですが、最後まで楽しんでもらえたら嬉しいです！ありがとうございます。 (9月19日 21時) (
レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - このお話が大好きで前作からまとめ読みを数回繰り返しています、、、！更新楽しみにしています！ (9月16日 19時) (レス) id: 5166b5aa5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2023年7月27日 13時
