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夏休みも終わり学校が始まると、僕は授業と授業の空きコマに学部に併設されている図書館にいる事が増えた。
自分の為に調べていた心理学も調べるうちに人間の心理そのものが面白く感じて、暇な時間は１人で専門書や資料を見る時間が増えた。
それに、図書館はいつも人が少なくて誰にも邪魔されない空間なのも気に入っていた。
数週間前、彼女が少しだけ自分を取り戻せてから、彼女の笑顔が増えた。
増えたというか、元々の彼女の表情が増えた。
それだけでも僕の心はだいぶ楽になったし、彼女自身もいつもよりは自然体でいてくれてる気がした。
もちろん、根本的なものが解決したわけじゃないけど。
それでもこの日、今感じている事や思ってる事を彼女が言葉にしてくれて、胸の奥で飲み込み続けた僕の感情が少しだけ軽くなった。
ほんの少しだけ客観視できるようになった彼女の気持ちは、やっぱり、自分に自信が持てない事から来る僕との関係性への不安だった。
僕自身を信じてないんじゃなくて、結局のところ僕の気持ちを受け取れない自分を信じれない自分の弱さだと彼女は言った。
「・・・これって多分、前に斗亜が私に思ってた事・・・やんね？」
そう言われて一年前の自分を思い出す。
目に見えないものを信じる事の難しさは、痛いくらいにわかる。
「ん・・・せやな。・・でも、捺香はずっと俺の事捨てんと傍に居てくれたやん」
やから、こんな俺でもいいんかなって・・・思えてん。
そう呟く僕をジッと見つめてた彼女がゆっくり視線を逸らす。
「だって・・斗亜の事が・・好きねんもん。・・・・他の人がどう思おうと、私の中の斗亜は一番なんやもん」
視線は逸らしたまま少しだけ口を尖らせてる彼女の顔が、いじらしくて可愛くて、僕の方が恥ずかしくなって、無意識に頭を掻く。
「そんなん・・・俺かて思ってるし。・・・そんな顔して言うんズルない？」
思わず漏らした僕の言葉に、彼女は逸らした視線を僕に向けビックリした顔をした。
「・・・え？・・・何？」
「そんなん・・思ってくれてるなんて・・・知らんかった」
そう返されて、肝心な事ほどお互い伝わってないんだなって歯痒くなる。
「・・・思ってるよ。・・・なかなか上手く言えんくてごめんな？・・・でも、ほんまに捺香が思ってる以上に・・・その・・好き・・やで？」
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あお(プロフ) - まなみさん» めちゃくちゃ嬉しいです！気持ちがコロコロ揺れ動く斗亜くんですが、最後まで楽しんでもらえたら嬉しいです！ありがとうございます。 (9月19日 21時) (
レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - このお話が大好きで前作からまとめ読みを数回繰り返しています、、、！更新楽しみにしています！ (9月16日 19時) (レス) id: 5166b5aa5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2023年7月27日 13時
