検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:5,098 hit

red ページ2

宮館涼太






「・・・よろしくお願いします」



番組でちょっとしたダンスを踊るのに、外注したダンサーのアシスタントに康二の彼女がいた。
梅原さんの舞台で会った事があるから気さくに声を掛けようかと思ったけど、メインのダンサーさんのアシスタントの一人で来てるのに俺が話しかけてしまうと彼女の立場が微妙になるかと思い、無難な挨拶にした。


彼女もさも初めましてかのように振る舞っていて、この対応で正解だったとホッとした。


アシスタントとして来てるけど、メインダンサーの見学みたいな感じで、一生懸命ダンサーの動きを見つめる康二の彼女を何気なく見てたら、ちょっと前に康二とご飯に行った時、マネージャーに彼女との付き合いに釘を刺されたらしく、少し悩んでいたのを思い出す。



プロポーズしたら断られたって聞いて、何考えてるんだと呆気に取られたけど、話を聞くと、どっちもの言いたい事はなんとなく理解できてしまい、良いアドバイスもできなかった。






アイドルというイメージ商品が見せて良い現実はどのラインまでか。
いろんな場面でいつも悩む。

商品なんて言ったら身も蓋もないけど、パフォーマンスだけで売れてるなんて思ってないし、求められるアイドル像が、俺にも康二にもある。



プロポーズとか結婚とか、年齢的に言えば決して早いわけじゃないけど、この仕事をしているとどうしてもイメージが浮かばないし、そんな風に思える人にも出会ってない。




ヒナちゃんは、ここに来るまでに苦労した康二が、結婚を想像できる女性って事なんだろうけど、この子がどんな子か知らないから、どうしたって一回り近く年の離れた妹のような感覚にしか見えない。

要は康二がロリコンだって話になるんだけど、そんな身も蓋もない言い方すると彼女に失礼だとは思う。

この間ラウールがたまたまヒナちゃんに会ったと言ってて、どんな子だったか聞くと「二人並んでると、どう考えても康二くんはロリコンにしか見えない」との解答だった。
だけど、話してみると思ったより大人だったとも言っていた。

2人が並んでるところを俺も見た事はあるけど、申し訳ないが決して恋人には見えなかった。
とは言え、俺は舞台での彼女も見ているから、見た目の容姿だけでは彼女の魅力はわからないとも思う。


そんな事を考えてると名前が呼ばれた。

3→←purple



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
83人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あお | 作成日時:2023年6月30日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。