47 ページ47
・
スッと斗亜の旋毛に人差し指を当てると、ゆっくり斗亜が顔を上げる。
その顔は申し訳なさそうな顔でもあり、真剣に見つめてくる目には、言い訳も弁明もなく、ただ真っ直ぐに私を見てた。
「・・・これって、最終的に浮気しようとしてた・・・って事やんね？」
斗亜の心情はとりあえず横に置いとくとすると、やってる事って浮気に該当する行動でしかない。
「・・・うん、ごめん。・・・浮気しようとした」
何の言い訳もせず、やっぱり私をしっかり見つめたまま斗亜が答える。
嘘も付けない、言い訳もしない、やってしまった事実を隠さず打ち明ける斗亜を見て「・・・もう、麻美さんと仲良くしてほしくない」って正直な気持ちを口にした。
「うん。・・・もう連絡先も全部消してる。・・・卒業式はあるけど、もう会う事もないし会おうとも思わへん」
「それは斗亜の意志？・・・それとも、許してもらうためにそうしないといけないってご機嫌取り？」
自ら決めるのと、他人にさせられるのでは意味合いがまるで違ってしまう斗亜の行動に質問すると「俺の意志やで。・・・正直言うたら、好きって気持ちはもう無くても情はあったし・・・幸せになってほしいなって思ってる。・・・・でも、俺が自分で幸せにしたいのって、1人やし。・・・・それ以外もう必要ないから、連絡取る事も、会う事もない」
目に見えないものを信じるって、思った以上にしんどいって、そう思う。
この瞬間の斗亜を信じようって思うけど、その先も信じ続ける強さは、お互いが努力し続けれるか。
でもきっと恋人じゃなくても、自分以外を信じるって強くないとできない事だから、斗亜だけじゃなく、私のこれからの成長次第でもある。
「・・・口では何とでも言えるから、この先信じてもらえる人間になるから・・・見ててほしい。・・・・・・でも、許してもらえへん事したって思ってるから・・・受け入れられへんかったら・・・・俺の事、振って？」
黙って聞き続ける私に、斗亜が２人の行く末を委ねてきて、付き合ってから今日までの斗亜とのいろんな事を思い出す。
お互いの、見せたくない自分や感情を見せる事って自分の弱い部分を曝け出すようなもの。
何で見せられなかったかって言うと、受け入れてもらえなかった時、傷つくから。
相手を信じ切れてないから、受け入れてもらえないかもって考えが浮かんでしまう。
でも斗亜は、自分が傷つく事よりも、弱い自分を私に見せてくれた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお(プロフ) - 莉愛さん» コメント気付かずごめんなさい！申し訳ありませんが、全作品固定氏名で書かせていただいてます、、、。ので、名前変換はできないようになってます。それでも良ければこれからも読んでいただけると嬉しいです！ (2月12日 0時) (
レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
莉愛(プロフ) - コメント失礼します。名前が変換されなくなってしまいました😿直していただけたら嬉しいです (1月28日 0時) (レス) @page45 id: a7af77c404 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 高梨アヤメさん» アヤメさん。。。うっかりしてました。ありがとうございます。 (6月15日 20時) (レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
高梨アヤメ(プロフ) - 失礼します、オリ.フラ立っちゃってますよ〜💦 (6月15日 18時) (レス) id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あお | 作成日時：2023年6月14日 10時
