43 ページ43
・
本当はこんな毎日楽しくなくて、思った事も言わなくなって、感情が衝突するのを避けて勉強に逃げていただけで、僕はやっぱり面倒な事から逃げるだけのつまらない男だった。
どうしてこんな風にしか彼女の傍に居れないんだろう。
彼女といると、どれだけ負の感情を押さえてても、どんどん自分の無価値観が広がってしまって、その無価値観を打ち消したくて彼女を僕だけのものにしたい気持ちがジワジワ広がってしまった。
それでも大学に受かって、ほんの少しだけ自分に自信が持てたのに、優柔不断でフラフラしてる僕は最後の最後で麻美を振り切れなかった。
未遂で済んだのは僕の意志じゃなくて、あのまま最後までしてたらきっと泥沼にはまると思って、そんな責任取れないって逃げただけ。
――――――――――――――――――――――――
冷静になった時、僕の腕の中で彼女はぐったりしてて、自分の事を殴りたいと思った。
僕に攻められすぎてそのまま寝てしまった彼女に罪悪感しか浮かばなくて、逃げるように彼女の家を出た。
旅行の後、自分の中の麻美との出来事や彼女への後ろめたさを抑え込むように、何度も何度も彼女を求めた。
こんな感情、隠す事なんてできないのに、彼女に知られたくない嫌われたくないなんて、自分勝手な事しか考えられない僕は、彼女の身体に強引に僕を教え込ませて誤魔化そうとした。
本当の僕を知って欲しいくせに弱い自分を見られたくないなんて、矛盾していて、おかしくなって倒れるなんて、もう自分でも手に負えない。
一緒にいたいって言ったのに、一緒にいれなくしてるのは僕自身だった。
数日経ったけど、僕からも彼女からも連絡は取る事は無かった。
あんな風に逃げて、今更彼女に対して何ができるんだろう。
彼女からも連絡が無いって事は、そういう事なんだなって当たり前に納得してて、結局大事なものを自分で壊して、2人の関係からも最後まで向き合わずに逃げた。
ただ隣で、僕の好きになったあの笑顔が見れれば、それでよかったのに。
やっぱり僕は、彼女を幸せになんてできない。
こんな僕で、ごめん。
彼女の家にいる時西村から連絡が来てたから、今日会う約束をしてるけど、今は西村にあまり会いたくない。
僕らの事を知ってる西村に会うと、多分、自分の情けなさに向き合わないといけない気がするから。
今はまだ、自分の弱さに向き合う気力が無かった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお(プロフ) - 莉愛さん» コメント気付かずごめんなさい！申し訳ありませんが、全作品固定氏名で書かせていただいてます、、、。ので、名前変換はできないようになってます。それでも良ければこれからも読んでいただけると嬉しいです！ (2月12日 0時) (
レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
莉愛(プロフ) - コメント失礼します。名前が変換されなくなってしまいました😿直していただけたら嬉しいです (1月28日 0時) (レス) @page45 id: a7af77c404 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 高梨アヤメさん» アヤメさん。。。うっかりしてました。ありがとうございます。 (6月15日 20時) (レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
高梨アヤメ(プロフ) - 失礼します、オリ.フラ立っちゃってますよ〜💦 (6月15日 18時) (レス) id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あお | 作成日時：2023年6月14日 10時
