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鳥が鳴いている。
もう通い慣れた道を通って、私は愛しい人の元へ行く。
もう当たり前になった日常。
それでも、こうやって実弥さんと会えることが嬉しい。
今日は何を作ろうかな。
そんな事をぼーっと考えていた。
これも、いつもの事。
今日は商店街を通っていこう。
相変わらず賑わいを見せている。
ここで雨が降って、実弥さんの家に初めて行ったんだっけ。
そんな事を思い返す。
少し血の匂いがした。
野良猫が、死んでいた。
人通りの多い場所だから、人力車にでも引かれたのか。
さっきまでの明るい気分が、少し暗くなった。
生気のない猫の目に、心が痛くなる。
私はそっと手を合わせて、実弥さんの家に向かって歩く。
この猫だって、さっきまで私のように当たり前に日常を過ごしていたのかな。
なんだか不吉だ。
幸せが壊れるのは、案外簡単で、一瞬だ。
私はそれを知っている。
誰かに腕を引かれた。
私は後ろを振り返る。
そこには、幼い頃から知っている顔。
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「Aお嬢様。いつまであんな者の所へ行かれるおつもりですか?」
微かに、まだ猫の血の匂いがする。
ああそうだった。
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___幸せこわれるときにはいつも血の匂いがする。
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ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時