それでも ページ25
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私は勝己と反対方向に走った。
祭りの音が少し小さくなった所で止まる。
ここからどうやって帰ろう。勝己居ないと帰れないや。
人通りの少ない場所。祭りに人が集まっているせいか、とても寂しい雰囲気の場所だった。
私の心みたいに。
私は勝己に何を期待してたんだろう。
私の事好きで居てくれるなんて、ちょっとだけ、そう思ってた？
頼れって抱きしめてくれたのも、
どこにも行かないって言ってくれたのも、
恋愛感情なんてなかった。
ただ、幼馴染だったから？
なら幼馴染なんかになりたくなかった。
多分あの女の子と付き合ってるんだろうな。
だって抱きしめられてたんだよ？
じゃあなんで私と祭りなんて。
最初から彼女と来れば良かったじゃないか。
『だめじゃんか…私と居たら…』
私はその場にしゃがみこむ。
地面に涙が落ちる。
それすらぼやけて見えなくなって。
花火が上がる音が聞こえる。勝己と見たかったのにな…。、
『……っ』
とどめなく溢れてくる涙。
馬鹿みたいだ。
私ばっかり。
女の子らしくしてみようとか、ちょっとオシャレしてみようとか、今日だっていっぱい頑張ったのに。
気づいたら携帯を開いていた。
画面には《物間くん》の文字。
「爆豪が嫌になったらいつでもかけてよ。」って渡された連絡先。
けど、私は電話をかけることが出来なかった。
勝己に彼女がいたからってじゃあ物間くんなんてそんな都合のいいことは無い。
それに…
「なんで呼んでくれないの。」
頭の上から声が聞こえて、ばっと振り返る。
そこには
何故か凄く悲しそうな顔をした物間くんが立っていた。
物「なんで…！君がそんなに傷ついて…！僕だったら絶対君を泣かせたりしないのに…」
『どうして、ここにいるの…？』
物「僕もこの祭りに来てたから。爆豪と一緒に射的してるところを見かけたよ。なのに君は1人で走ってるから、追いかけたら泣いてるんだもん。」
物「爆豪に泣かされたってことくらい分かるよ…」
『…泣かされた！今日だけじゃない！勝己に恋してから、いっぱいいっぱい泣いた…！いっぱい恋して、いっぱい泣いて！もう幼馴染なんて嫌だって思って…』
なんで電話かけられなかったか。
『っだけどっ！それでも勝己の事が、好きなの…！』
勝己の事がまだ好きだから、電話かけられなかったの。
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白猫さん(プロフ) - 助けて……、面白すぎる！！ (2021年8月31日 20時) (
レス) id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
yamada葉月(プロフ) - yurirol0305さん» そうなんですか…！でも、描写がとても上手です！ドキドキしちゃいます (2019年9月28日 0時) (レス) id: 99ae866ac4 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - yamada葉月さん» ありがとうございます！そうですね…私実は恋愛経験が全くなくて、片思いすらしたことなくて…上手くかけてるか不安なんですが…更新がんばります！ (2019年9月28日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
yamada葉月(プロフ) - かっちゃん尊い…！付かず離れずの関係って切ないけどいいですよね！応援してます！ (2019年9月28日 0時) (レス) id: 99ae866ac4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yurirol0305 | 作成日時：2019年9月16日 23時
