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岳side
俺が人を狩っていると見覚えのある梟が飛んできた。あれはテトだ。
「どうしたんだ?もしかして…Aに何かあったのか!?」
「Aガ拐ワレタ…岳助ケテ…」
「当たり前だ!どこにいる!」
俺がテトに連れてこられた場所は大きな屋敷だった。
ところどころ落ちている血は紛れもなくAのものだ
急がなければAが危ない…
屋敷にはそこそこの人が居たが人柄を見れば1発で分かった
元々Aがやってた仕事をしているやつらだ
もしかすると…なんてやわな考えは捨て前へ進んだ
最深部へ着いた時、腹を斬られ全身ボロボロになっているAが見えた…
「おい…お前ら…何してる…Aを返せ…
血鬼術
大量の針が奴らを襲う。そして瞬く間に死んでいった。
「おい!なんなんだ!お前はっ…」
「早くあいつを殺せ!」
Aの近くにいたやつが離れた
斬りかかってくるところを一瞬で首を刎ねた。
「A!A!おい!あぁくっそ…」
呼びかけても返事が出来ないほどに弱っている…
急がなければ命が危ない…
横抱きにし、走り出した
ポタ…ポタ…
ジュウ…
「くっ…」
足が溶ける…
俺が飲むなって言ったの守っててくれたんだな…
だが、このままだと消えるのも時間の問題だ
Aの血を浴びた所から腐敗が進んでいく
そして再生する事はない
「テト、Aは蝶屋敷へ運ぶ。宇髄天元を蝶屋敷まで来させてくれ」
よし、これで医者には見てもらえる
A…頑張れよ…
『…んっ』
「A!ちょっと待ってろよ…もう少しで蝶屋敷に着くから」
『が…く…凄い…汗…』
「遠かったし急いでるからな!」
『!!待…って…降ろ…して…血が…岳に…』
「そんなことどうでもいいから!だから…もう喋るな…俺はAが死ぬのなんて見たくないんだ…もうそろそろ着くから…」
足を速め蝶屋敷へ着いたら宇髄天元と医者が居た。
「A!」
「Aさん!」
「Aを頼む」
Aは医者に預けた。後は祈るだけだ。
「おい、お前大丈夫かよ」
「大丈夫に見えるか?Aの血は鬼を溶かすんだ。それも一滴でも浴びれば必ず死ぬ。」
「そこまで分かってたなら派手に俺を呼べばお前は助かったんじゃねーの」
「好きな女を前にそんなこと出来るかよ…Aを頼むぞ」
「分かってらァ」
俺たちは何を言うでもなく座り込んでいた
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作者名:yuririn | 作成日時:2020年4月9日 1時