ク ズ 達 の 本 音 【あんスタ】

十三日目【涙】 ページ13

「りつ、りつ」




「ん、何？・・・・・Aどうかした？」





舌ったらずになったAは可愛いけれど、ぽたぽたと垂れる涙を見て罪悪感が俺を襲う。





ぎゅう、と抱き締めてあげると「いたい、」とひ弱な声を出した。




良かった、まだ壊れてはいないみたい。



「私って、ホントにめんどくさいね。こんなだから姉さんに全部とられちゃったのかなぁ・・・・・・・・・」




泣き弱っていたせいか、Aのいつもの声と違い掠れた声が俺の耳に届いて心臓に突き刺さった。






中から溢れ出してくるのは俺に対する懺悔の言葉。・・・・・こういうのは、やだ。




可愛い可愛いAは懺悔なんかしなくても、いいのに。むしろするのは雫のほうだよ。



・・・・・ごめんね、A。




一つだけ、Aに謝らなくちゃいけないことがある。




アンタへの悪口、つまり雫とAへの差のことによる劣等感を生み出す言葉。




・・・・・・アレね、俺がちょっとだけ入れ知恵しちゃったんだ。




だってそうでもしないとAは俺から離れていっちゃうんでしょ？



『離れない』なんて言葉は嘘だって彼奴から痛いほど知ったから。




だったら、自分の手元に所有物は置いておく。誰にも取られないように。




「・・・・・・・ごめんね、A」






・・・・・・騙してて、ごめんねぇ。

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