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ページ9

【side.A】




どうしたらこの障害は治るのか。そもそも治す事は出来るのか。目的は何なのか。どうして行方不明になるのか。何も分からない。





「あーあ、もっと気ィ抜かずに臨戦態勢取っときゃよかった…犯人捕まえなきゃ元も子も無いってのに」


「…………」


「ん?何、黙っちゃって」





見ると、やけに黙って静かだと思ったら銀時が顔をヒクつかせながらダラダラ汗を垂れ流していた。心底居た堪れないと言いたげな顔をしていて、首を傾げるしかない。どんな気持ちそれ。





「何?」


「いや……あの、確かに俺はAもっとちゃんと守ってなきゃだったとは思うよ?でも俺ん家泊めてるだけ偉いよな?そんな俺を責めないよなAは?俺悪くねェよな??」


「は?」






銀時の方を見る。何をコイツは必死で弁明してるんだろうか。もしかして私の感覚が無くなったのを自分のせいだとでも思ってる?

ええ、冗談はその天パだけにして貰いたいんだけどな。泊めて貰って危険に晒してんのは私なんだから、責めようなんて思っている訳が無いのに。






「いや元々責めようなんて思ってないよ。てか私にあんな変な事ばっかして泥酔してたお前じゃ守るとか無理あるよね」


「あ?変な事?」


「……え、覚えてないの?昨日の夜の事?」


「…………えーっとあのォ……酔ってからの記憶、無ェわ」


「……は、ふざけろよォォォォ!!」





口をあんぐり開いて思わずツッコんだ。いや、あんな危ない事やっといて記憶にねェのかこの野郎は!!さんっざん人の事振り回しといてそれはないでしょ!?


私守るとかいっそ二の次でいいわ、それよりその勝ち逃げみたいなの辞めてくんないかなウン!勝手に照れさせられて忘れられてって後味悪いんですけど寝覚め最悪ですけど!!





「え、ちょ、何?俺何か変な事した感じなのコレ。怖ェんだけどもしかしてヤバい事やっちゃってんの俺!!」


「……いや、いい。言うな。知らないならもういいわ蒸し返される方が癪だわ」


「こえーよ何やったってんだ酔った俺ァ!」





銀時の圧倒的馬鹿さに両手に顔を埋めた。もう…こんなマダオに振り回される私って何なの……





「……もういいです。鈴の音の話しよ、鈴の音」


「…………ハイ。酔った時の俺が何やっちゃったのか分かりませんが、ちゃんと結果で返したいと思っております」


「はい。」

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作者名:黒胡桃 | 作成日時:2023年5月6日 14時

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