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【side.A】
「包帯は?」
「あ、くれる?ありがと」
「ん」
取り敢えず傷口を洗って止血して、畳の血を拭く。銀時は私の包帯を取りによっこらせ、と立ち上がった。
「新八と神楽が包帯買ってくれてたんだよな…何処にあんだっけ……アイツら俺がすぐ怪我するからって五月蝿くてよ」
「へえ、いい子達じゃん」
「賑やかな馬鹿しか居ねェけどな」
「……なんか、いい家族持ったね、銀時」
はたと銀時の足が止まる。私だって敢えての「家族」ワードチョイスだ。銀時は私の言葉を脳で反芻させるように少し止まって、何か言おうと口を開けたり閉じたりした。
それから結局首を揉んで、小っ恥ずかしそうに「……そうかもな」と言った。
……やば。不意を突かれた。
いや、その顔は、…反則でしょ。
こんな顔するなんて。普段は絶対しないのに。
銀時がちゃんと“家族”と幸せに過ごせてるって事だよね。その事実が堪らなく嬉しい。あの二人には感謝してもし切れないな。
銀時に万事屋があって良かった。本当に、本当に。
「でもホント、お前すぐ怪我するから。新八君達の言い分は正しいよ。無茶すんなって言っても聞かないし」
「そりゃオメーだろーが。どの口が説教垂れてんだよ。…ホラよ、包帯」
「ありがと」
銀時に手渡された包帯を左手に巻き付けていく。銀時はその様子を見ながら、「で、今度は感覚が無くなったってマジ?」と言った。私は歯で包帯を引っ張り、慣れたようにそれを縛って銀時に答える。
「うん。この傷も痛くもないし、包帯の感触も分からないもん」
「あー、成程な。じゃ、マジで総一郎君に見せて貰った資料通りってワケか。鈴の音も聞いたんだよな」
「多分ね。だからトリガーは鈴の音で間違いなさそう」
舌を口の中で回してみて、痛みを感じない皮膚を抓って、溜息を着いた。
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更新が遅れてしまってすみませんでした!!!
私生活が死ぬ程忙しいです。どなたか私の愚痴を聞いて欲しい。皆さんは最近如何お過ごしですか?
皆さんもせめてこちらの作品ではゆっくりしていって下さいね。高評価待ってます!!!!
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作者名:黒胡桃 | 作成日時:2023年5月6日 14時