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【side.A】




もう駄目だ。これ以上は。脳味噌が熱くなってふやけて、まともな思考が出来なくなる。

それでも僅かに残る自我を奮い立たせた。「馬鹿、もう離して!」と銀時を突き飛ばすと、銀時は案外あっさりと倒れた。





「はぁ…っ、びっ、くりした……急に何すんの、もう……あれ、」





突き飛ばされた銀時は、倒れたままで起き上がる事をしなかった。代わりに口の端から涎が垂れているのが見える。

何かおかしいと顔を覗き込むと、少し頬を赤くして幸せそうに目を閉じる銀時があった。その巫山戯た様は、まるで___





「…………こんの……酔っ払いがァァァァ!!!」






もしかしなくても酔ってたのお前!!そんなオチある!?ねェこの男今すぐぶっ飛ばしたいんだけど、私の事散々荒らしといて!いつの間に飲んでたんだよこのタコが!!


今までのR指定ギリセーフラインを通過しそうな行動は酔っ払い馬鹿の戯れとでも言うのかこのマダオがァァァ恥ずかしい!!記憶から抹消したい!

確かにいつもと違うなとは思ってたよおかしいなって思ってたよ!!でも酷くない流石に!



あーそういえば新八君も神楽ちゃんも居たんだったよ、事の一部始終二人に全部バレちゃったじゃないもう!!二人の眼差しが痛い!死にそう!

新八君なんて顔真っ赤だもんウブだねェ、じゃないよ最悪だよ!!穴があったら更に深く掘って生き埋めにして欲しい…



あ待って新八君と神楽ちゃんが口を開きそうだ!もしかして私に何か言おうとしている!?辞めて!責めないで!あーもう塵になって消えたい!!


……てか、凄いクソデカ感情なんだが…





「……あの、Aさん…イチャつくのはまァ…結構なんですけど……せめて僕らが居ないとこでしてくれません?」


「イチャコラしてんじゃねーヨ、もー熱々なんだからァ」


「……あの…はい…すみませんでした…」





よし、取り敢えずこの酔っ払い今度ぶん殴る。マジで。何て事してくれてんの。





「あー……もう私ソファで寝るでいいので…あの、今回の事は私からアホの酔っ払いにキツく言っとくので…はい、ほんとすみませんでした……もう勘弁して下さい」


「……いや、その話なんですけど」


「はい、何でございますか志村さん」


「あの……布団もう一枚出せばいいだけじゃね?」


「…………あ」

第十九訓 才能は見せびらかしてなんぼ→←.



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作者名:黒胡桃 | 作成日時:2023年5月6日 14時

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