過去編第五話 ページ44
「……雷蔵ちょっといいか」
授業の支度をしていた所、中在家委員長が僕の部屋を訪れた。
何か急な用件でもあるのだろうか。
級友の三郎に先行っててくれと言って中在家先輩に着いていくと人気が少ない場所でこう告げられた。
「Aが亡くなった」
「は？？」
あまりにも衝撃的すぎて変な声が出てしまった。
「……保健室に安置されている
火葬は今日ではないが会うなら今のうちだ」
そう言って中在家委員長は去ってしまった。
「あ、不破くん」
長次に聞いたんだね、と善法寺はAの顔に被せられた布を取ろうとしたが、雷蔵は大丈夫ですと断った。
Aの近くには用具委員会の面々が集まっており下級生は皆涙を流していた。
委員長である食満は泣いてはいなかったが
微かに目尻が赤いのから察した。
対して自分は何故だか泣けなかった。
とてつもない絶望に襲われたものの涙腺は緩むことはなかった。
聞けば最後を看取ったのは食満先輩らしい。
最後の視界に映った人物が自分だったらと羨ましいとちょっぴり思ったのと同時にああ、看とれなくて良かったなと思った。
善法寺委員会からかなり衰弱していたと聞いたが、果たして自分はその状態でも恋慕していると言えるだろうか。
いや、亡くなった顔を見れなかった時点で決まっているか。
弱々しい先輩の姿なんて到底見る事など出来ない。
見たくなかったんだと気づいた。
最後まで振り向いてくれなかったA先輩へ。
あなたの事が好きでした。
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メクルクル(プロフ) - ひろくんさん» コメントありがとうございます、 泣いてくださるなんてこちらこそ嬉しさで泣いてしまいます…… (2021年1月6日 19時) (
レス) id: f8b718fdc2 (このIDを非表示/違反報告)
ひろくん(プロフ) - とても好きです。読み返す度に泣いてます…涙なしには見れない奴ですよ…とても好きです… (2021年1月5日 12時) (レス) id: 0df5293f1e (このIDを非表示/違反報告)
メクルクル(プロフ) - 華さん» 催促とコメントありがとうございます、細々とですが更新はしていくつもりです！ (2020年3月29日 16時) (レス) id: f8b718fdc2 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 早く続きがみたいです！楽しみにしてます！ (2020年3月29日 1時) (レス) id: 5089320bde (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - とても面白いです！更新頑張って下さい！ (2019年8月21日 18時) (レス) id: 783e5088c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メクルクル | 作成日時：2019年4月26日 23時
