【幕間】〇〇の弟 １ ページ24
牢のならぶ地下道にコツリと靴音が響く。
俺は一つの牢の前で立ち止まり、格子越しに声を掛けた。
「兄貴」
牢の中の男がゆっくりと顔を上げる。
俺と瓜二つとまではいかずとも、俺によく似た男。
彼奴には『目付きがそっくりだ』と笑われたが全くその通りだ。
「お前は…」
掠れた声が返ってくる。
その声で、確信した。
「やっぱり、あんたが俺の兄貴か。」
俺の、腹違いの兄。
顔は知らない。
俺が唯一知っていたのは名字だけ。
だがなぜか、この男が自らの兄であると感じていた。
「お前が…俺の、弟だったんだな。」
「ああ、そうだよ、兄貴。」
一度だけ、会ったことがあった。
『兄』と『弟』ではなく、『敵』同士として。
「覚えているか？一度俺と兄貴は貧民街で会ってるんだ。」
クッ、と小さな笑い声が聞こえる。
「嗚呼、覚えてるよ。俺は、標的を一人始末したところだった。」
「其処を俺が目撃し、少し戦ったな。」
あの日のことは今でも鮮明に覚えている。
あれだけ必死に戦ったのは前にも後にも一回きりだ。
ただ、生き延びるために戦った。
「まあ、結果として隙を見て兄貴が逃げて終わったけどな。」
「本気で向き合ってたら相打ちか、勝てても重傷だった……お前が、強かったんだ。」
二人で顔を見合わせ、笑う。
「…俺の上司は、強かっただろう。」
「嗚呼、強かった。彼奴に異能がなくても、俺は負けていたかもしれねえな。」
「いつもは本当に子供っぽい奴なんだけどな。武器さえ持たせれば最強だ。」
彼奴は本当に何であんなにはしゃぐんだ。
過去と関係しているのか…？
いつか直接聞ければ良いけどな。
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紅羽(プロフ) - りん酢さん» やあ、ようこそ占ツクへ (2020年8月6日 12時) (
レス) id: 0d7eedca27 (このIDを非表示/違反報告)
りん酢(プロフ) - りん酢だよ〜ん(いきなりすまん私も占ツク始めた。) (2020年7月24日 11時) (レス) id: feb1b4b00d (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - そふらさん» そう言ってくださると嬉しいです！頑張ります！ (2020年5月12日 12時) (レス) id: 2776645614 (このIDを非表示/違反報告)
そふら(プロフ) - すみません！ありがとうございます！とってもお話面白いので更新すっごく楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2020年5月12日 12時) (レス) id: 0068c3a571 (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - そふらさん» 修正させていただきました！ご指摘ありがとうございます (2020年5月12日 12時) (レス) id: 2776645614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅羽 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yurinohana1/
作成日時：2020年5月10日 11時
