100.歩く *3/4 ページ30
人ごみの中をそのスピードに合わせて二宮さんと歩く。
背中を彼に押されながら。
さっきまで明るく日の光を感じてたのに
あっという間に夜の明度になってた。
・
どこまで歩くんだろう。
でも、それを二宮さんと話す雰囲気でもなかった。
「あっ…お弁当箱…」
不意に思い出して、独り言が漏れた。
返してもらうの忘れた。
主任、あのまま持って帰っちゃったんだ。
「弁当箱？」
私の独り言に二宮さんが反応する。
「あっ…なんでもない、です」
独り言です。
二宮さんには、関係ないこと。
背中を押されながら、オフィス街を歩いてく。
二宮さんと。
お弁当箱は、週明けだな。
主任、持ってきてくれるといいんだけど。
そういうところは、きっちりしてそうだから…大丈夫かな。
「……ふぅん」
ちょっと背中におかれた手の力が強くなって
そのままの勢いで足が進む。
「二宮さん？」
「ん？」
「あの…」
「ん？どこに行くのかって？」
「はい」
「まだ、会社の人とか周りにいるでしょ？もう少し静かなところで話しません？」
「……はい」
確かにそうだ。
まだ、社の人も周りにいるだろう。
確かにさっきの
主任を含む感じとか、会社の人に見られてたとしたら
何ともばつが悪い。
それから
二宮さんの話っていうのが、こういうざわざわとした場所で聞ける話ではないような気がしてる。
「それよりさ？さっきの人に弁当とか作ってあげたりしてんの？」
それより？
弁当？
「弁当箱って、そういう意味？」
そういう意味って、私が？主任に？
「作ってて…ちがっ…違います」
お弁当を作る約束なんて、違うから。
「じゃあ、どういう意味？」
どういう意味って、そんなの。
意味なんか何にもない。
たまたま今日は、お弁当で
自分の作ったお弁当をソース味を食べる気がしなくて
主任に交換してもらった。それだけ。
「今日はお給料前で、節約弁当の日で…」
そこまで言って、ふっと言葉が止まる。
さっきから二宮さんの声が、なんか違和感。
それ、二宮さんに説明しないといけない？
タダの世間話をするような口調では、ないし。
当たり前だけど、世間話をしに二宮さんといるわけじゃない、し。
二宮さんと来たのは、私が選択したことだけど。
まさかいるはずのない人がいきなり現れた戸惑いとか
そう、私の思考能力を奪うような登場をしておいて、ですよ。
そんなこと、話さなくちゃいけませんか？
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ゆりね(プロフ) - Aiumiさん» Aiumiさん♪お返事遅くなりました。二宮さんのしぐさにキュンだなんて、うれしいお言葉をありがとですっ！ドキドキしてもらえましたか？重ねてうれしいですっ！ようやく続編できましたので、次章もお付き合いいただけたら、ありがたき幸せです☆ (2015年3月25日 8時) (
レス) id: 7fa61c935b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりね(プロフ) - はにぃ♪さん» はにぃ♪さん☆続編できました！うふふっ（笑）そうですよねーそうなんですよねー。勢いとかそういうんじゃないキスって・・・違いますよね！違うはずですっ！ (2015年3月25日 8時) (レス) id: 7fa61c935b (このIDを非表示/違反報告)
Aiumi(プロフ) - 二宮さんのさりげない仕草に、もうキュンキュンですっ!!格好付けが、二宮さんがやると全然しつこくない…爽やか(´ρ`* 私も二宮さんのお話を書いている身なので、参考にもなりますし、もうドキドキが止まりませんっ!続きを楽しみにしてます♪ (2015年3月13日 18時) (レス) id: 836d2c2535 (このIDを非表示/違反報告)
はにぃ♪ - 壁ドンならぬ、壁トンー!!!!やばい、やばい、心臓飛び出る（笑）「カッコ・笑」いっぱいでしたね〜なんか、二宮さんだけ余裕そうで、ずるい…。ふたりとも超幸せそうですね♪ほっこりしました（笑）思いがつながった後のキスは、今までのキスと違うのかなぁ、なんてね。 (2015年3月5日 18時) (レス) id: 87c3e824f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりね(プロフ) - いっこんさん» うふふ（笑）いい感じににのさん、仕上がってますか？私のにのさんイメージがかたまり過ぎてるので、あまり一般的に受け入れられないと思ってますが（笑）かっこいいなんて・・・ぐふふっ・・・お話を書いててよかった、ですっ！祝杯あげてます（笑） (2015年3月5日 17時) (レス) id: 7fa61c935b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりね
| 作成日時：2014年12月16日 10時
