赤と黒と人形少女【wrwrd!】【gr】 (ページ14)

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第10話｢良すぎる耳｣ページ14

A視点

A……

噛み締めるように心の中で自身が貰った”特別な”名前を唱え続ける

｢なんだか、緊張してしまいました。まさか、Aという名前をつけてもらえるなんて思ってもいませんでした。｣

ショッピ(？)さんに聞こえるほどの音量で呟く

その言葉が聞こえたのかほんの少し微笑んだ感じで言葉を返してくれた

shp｢そういえば、自己紹介まだでしたね。はじめまして、ショッピって言います。よろしくお願いします。｣

私の目線と同じ高さにしゃがみながら自己紹介をしてきたため、私は驚いた

(塔の中ではこんなことしてくれる人”マスター”以外いなかった)

ふと我に返り、貰った名前を真似るように告げる

｢えっと、A…です。よ、よろしくお願いします。｣

グルッペンさん以外の人の名前を知るのはこれが初めてで、ほんの少し照れくさく感じる

私は気になっていた足元いる人のことについて聞いてみた

すると、このロボロ(？)さんはこの基地の医者のような人という回答が返ってきた

医者にはあまりいい思い出がないなと、考えている時に外から2つの足音と声が聞こえてきた

｢そうですか。あれ？この音。｣

そういうと扉が勢いよく開いた

水色髪のぐるぐるメガネをかけている人と、さっきまでこの部屋にいたシワになってるスーツを着ている人が入ってきた

3人の口論を何となくで聞いているとぐるぐるメガネの人が声をかけてきた

cn｢はじめまして、チーノって言います！よろしくな！｣

チーノという人が自己紹介をしてきた時に私の近くに｢あれ｣があった

チクタクという音と一緒に嫌な記憶も再生される

いやだ、もう、思い出したくない

頭に響く、あの声が！！

『被………304、……は…………最………傑……だ。君………の………す……………メ…………代……………や、………超…………存……………る。』

『マ…………、…………そ…………こ…………で…………せん。』

『ロ…………に…………い………………う……………か！お………こ……………も”愛しているのに”！』

頭が割れるように痛む

『私は………………』

私は気がつけば時計から背を向けてチーノさんは私から離れていた

謝るチーノさんに弁解をしようと私がこうなった原因の懐中時計を指さした

もう、何を発言したかは覚えていない

それでも、嫌という程私の頭に残るチクタクという針の音が私を縛り付ける

｢こんな能力要らなかった｣

小さく呟いて私はまた、眠りについた