赤と黒と人形少女【wrwrd!】【gr】 (ページ15)

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第11話｢懐中時計と見える目｣ページ15

rbr視点

時を遡り、部屋にグルッペン達が来た時のこと

実は俺はコネさんが部屋に入ってきた時辺りからほんの少しだけ起きていたが、タイミングを見て起きようものにも話は急展開を迎えて行ってしまって起きようにも起きれなかった

寝言のようにAというのはどうだという意味で提案をしたらそれが通ってしまったのが不思議だ

その後ようやく起きれるかと思ったが、チーノと大先生が入ってきて余計起きれなくなった

軍団の3人の会話をボーッと聞いていたら、チーノがAちゃんに自己紹介をし始めた

cn｢はじめまして、チーノって言います！よろしくな！｣

布越しからでも分かる、Aちゃんは怯えてる

表情は変わっていなくても怯えていることが分かる

｢針の、音？｣

声が少し震えてる、青ざめていく様子が”ハッキリ”見なくてもわかる

｢い、イヤだ！！近づかないで！！その音は…………イヤっ！！！｣

怯えきった様子に周りの3人が戸惑っている

表情の奥のほうまでは見えなくても、考えている心理はわかる

塔の中にいた時の記憶がよみがえってきているのだろうか

ut｢チーノ、とりあえず離れよか。｣

大先生がチーノに対してはなった言葉が後ろから聞こえる

cn｢は、はい。なんかごめんな。｣

｢いえ、ただ私はその音が苦手なだけで。｣

Aちゃんが怯えながら話す姿がくっきりと映っている

指さす方向に何があるかは分からないけど、針の音と言っていたことからおそらくチーノが首からかけている懐中時計のことだろう

ut｢え、それってチーノの懐中時計のこと？｣

大先生が不安そうな声で聞くとAちゃんはコクコクと何回も頷いた

cn｢そっかぁ。わかった。俺Aに話ある時はこれ取るわ！｣

チーノから少し威勢のいい声が聞こえる

だけど、ショッピくんが少し驚いた表情をする

shp｢ええんか？チーノ、確かそれ…………｣

なにか事情を知っていそうだったが、話そうとすると黙った

cn｢だって、俺だけこの懐中時計が原因でAとまともに話せへんねんで！？それは嫌や！｣

ほんの少し強引な言い方をしているようにも思える

ut｢な、ショッピくん。チーノもこう言っとる訳やし、な？｣

大先生がショッピくんを宥めるような言い方をするとショッピくんはほんの少し悔しそうな顔をしてコクリと頷いた

ut｢じゃあ、俺とチーノもう戻るわ。｣

大先生が出ていこうとした瞬間Aちゃんの身体がゆらりと動き、ベットに倒れていった