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平凡な日々の中、偶に通る高級な外車は横濱の街に映えると思っていた。
私とは無縁の乗り物だと考えていた。
「何緊張してんだよ」
『高級車に乗っている現実に目が眩みそうです』
___まさかその車に乗る日が今日だなんて。
鞄を膝に乗せ、助手席に縮こまる私に運転している中原さんは笑みを浮かべて提案した。
「運転してみるか?」
『むむむむりですって…!ハンドル握れないどころか私無免許ですし…』
「ブレーキさえ踏めれば大丈夫だ」
『責任持てません!』
「冗談だって」
必死に叫ぶ私に彼は満足そうに笑っている。
「ちょいと飛ばしてみるか」
『止めてください』
冗談なのか本気なのか分からない表情で言うもんだから、真に受けてしまう。
『私で遊んでますよね』
「素直で分かりやすいから、面白ェ」
『そんな事言ってると女性に嫌われますよ…』
「この俺がそんな訳無い」
『此方見ないで前見て下さい!』
突然綺麗な風貌を向けられると心臓に悪い。
左席…隣で運転している彼を横目で見る。
…顔が本当に綺麗。
色素が薄い体質であるせいか白い肌に橙の髪と空の目がよく映えている。
お洒落でお金持ちだ。
先程の朝御飯に美味しい手料理もご馳走させてくれた。
よく笑う顔は眩しい程かっこいいし、
優しくエスコートまでしてくれた。
彼みたいな人が隣に居たら、
女性は皆幸せなんだろうな。
「チッ、煽り運転かこの野郎…」
黙って居ればの話だが。
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落蕾 - わたあめさん» えっ!!そうだったんですか!!?白氷様の作品、めっちゃ面白くて、大好きです!!!更新頑張って下さい!!! (7月24日 23時) (レス) @page19 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
こむぎこ - 文の書き方好きです、これからもほどほどに頑張ってください、! (2023年2月8日 2時) (レス) @page12 id: 3738396828 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 「女だなんて聞いてない。」も、「双黒の育て方。」も大好きだったんですけど、同じ作者さんだったんですね!話の進め方とか表現とか大好きです!最高に面白いにちがいない…。頑張ってください! (2023年1月25日 17時) (レス) id: e7e522b22e (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - 新作おめでとうございます!陰ながら応援しております! (2023年1月24日 22時) (レス) id: b0ccef1124 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬琥雪 - え…夢主ちゃん…???口つけたペットボトル???関節キスではないですか…!!え、え??あ、面白かったです!!更新頑張ってください!! (2023年1月24日 20時) (レス) @page3 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白氷 | 作成日時:2023年1月24日 0時