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#19 ページ19

中原さんに連れて行かれるがまま数分。



『中原さん』


あまりの沈黙の重さに耐えきれず、
私は立ち止まった。彼も同じ様に立ち止まる。

その黒い背中に意を決して声を上げた。







『話してくれないと分かりません。
此方向いて話して下さい。あの治癒の何が問題なんですか』




振り向いた彼の白い肌と蒼の双眸が闇夜で淡く光った。

軽く息を吐いてから彼は話した。





「奴の治癒だったから気に食わなかっただけだ。女医の方が手前に合うと思っていた」




『え』






たった其れだけの理由で不機嫌になっていたの?

拍子抜けしてしまった。

それと同時に安堵した。


私が太宰さんに話した内容の事を聞かれていないか不安だったし。



「煙草吸っていいか」と聞かれ了承する。




「彼奴の顔見るだけで腹が立つ…」


『太宰さんとは上手くいってないんですか?』


「止めろその俺が彼奴と"そういう仲だった"ような言い方」






『すみません』本気で睨まれて冷や汗が額に滲んだ。


白い煙を吐き纏う中原さん。





「俺は彼奴が大嫌いなンだ。死に急いでいる顔にどれだけ殴ろうとした事だろうか…



あと手前はあまり奴に関わらない方が良い」




『そうですか……え、…何故関わってはいけないと?』





「奴は女に甘い。そして軽い。

今迄パァになった女が両手で数え切れない程居る」




『そういう方には見えなかったんですが…』


「奴はそういう男だ。甘く見るなよ。手前は引っ掛かりそうだから忠告しておく」





柔和な印象が残る太宰さんへの印象が崩れ始めている。

女性遊びをするような人には見えなかったのに。


あと今、"引っ掛りそう"と言ったよね?








『…私、異性に対して鈍感では無いですし、

寧ろ敏感な方だと思います』











中原さんの動きが止まった。

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落蕾 - わたあめさん» えっ!!そうだったんですか!!?白氷様の作品、めっちゃ面白くて、大好きです!!!更新頑張って下さい!!! (7月24日 23時) (レス) @page19 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
こむぎこ - 文の書き方好きです、これからもほどほどに頑張ってください、! (2023年2月8日 2時) (レス) @page12 id: 3738396828 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 「女だなんて聞いてない。」も、「双黒の育て方。」も大好きだったんですけど、同じ作者さんだったんですね!話の進め方とか表現とか大好きです!最高に面白いにちがいない…。頑張ってください! (2023年1月25日 17時) (レス) id: e7e522b22e (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - 新作おめでとうございます!陰ながら応援しております! (2023年1月24日 22時) (レス) id: b0ccef1124 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬琥雪 - え…夢主ちゃん…???口つけたペットボトル???関節キスではないですか…!!え、え??あ、面白かったです!!更新頑張ってください!! (2023年1月24日 20時) (レス) @page3 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白氷 | 作成日時:2023年1月24日 0時

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