検索窓
今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:28,241 hit

#12 ページ12

「0」






地獄を告げるカウントダウン。

男は口角を不気味な程に釣り上げて嘲笑った。








あぁ、駄目だ。もう__



恐怖と絶望のあまり目を瞑った。

男に腕を折られる。激痛が走る。


そう思っていた。









__「何してんだ手前」







ドスの効いた低い声が地の底から這うように響いてきた。




男がその声を聞くと肩を震わせて腕を掴む力を弱めた。顔色が真っ青になっている。





その声の主は男の身体が邪魔で見えない。


でも聞き覚えがある…








「泥酔もいい加減にしねェと…もう二度と飲めない身体にしてやるぞ」







「あ、あんた…」




「俺の気が変わらねェうちにさっさっと消えろ」









___ 殺すぞ。





殺意のある声は男を震え上げさせ、私を突き飛ばすように離すと逃げていってしまった。



助かった、?








「おい」







この声、何処かで聞いた覚えがある。

誰だっけ。









何があったのか状況を理解出来ない私は、

腕を抑えて虚空を見つめていた。








「大丈夫か」






駆け寄ってきた男の顔は暗くてよく見えない。

だがしゃがみ込んで、視線を交わした時に初めて見えた。




それは相手も同じようで息を呑んだ。








「手前…」





『えっ……__中原さん…?』









数週間前に酔い潰れていたあの中原さんだった。


彼は驚いた様子で青い目を見開くと、








「まさかあの声が手前だなんて…おい。今隠したその腕見せろ」



『対した怪我じゃないですって…』


「隠すな」






鋭い目で睨まれ、その威圧感に堪えきれず男に掴まれていた腕を渋々彼に見せた。


その状態を初めて確認した私は顔を歪めた。







『うわ…』


「内出血してるな…」






信じられなかった。

手跡がくっきり残り、青黒く腕が変色していた。

 




「触るぞ」服の上から彼の手が腕に触れる。変色している箇所を親指が触れると、







__ズキ…ッ…!


瞬間、激しい痛みが走った。

#13→←#11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (170 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
339人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

落蕾 - わたあめさん» えっ!!そうだったんですか!!?白氷様の作品、めっちゃ面白くて、大好きです!!!更新頑張って下さい!!! (7月24日 23時) (レス) @page19 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
こむぎこ - 文の書き方好きです、これからもほどほどに頑張ってください、! (2023年2月8日 2時) (レス) @page12 id: 3738396828 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 「女だなんて聞いてない。」も、「双黒の育て方。」も大好きだったんですけど、同じ作者さんだったんですね!話の進め方とか表現とか大好きです!最高に面白いにちがいない…。頑張ってください! (2023年1月25日 17時) (レス) id: e7e522b22e (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - 新作おめでとうございます!陰ながら応援しております! (2023年1月24日 22時) (レス) id: b0ccef1124 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬琥雪 - え…夢主ちゃん…???口つけたペットボトル???関節キスではないですか…!!え、え??あ、面白かったです!!更新頑張ってください!! (2023年1月24日 20時) (レス) @page3 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:白氷 | 作成日時:2023年1月24日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。