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＿＿季節は幾度巡りて、年を四度重ねた。
激しく燃え上がる車。
立ち去り行く蓬髪に砂色の外套の背中。
中原幹部は”やっと青鯖が居なくなった。”と、
祝いに超高級な酒を一人空け飲みに飲みまくっていた。
私は今色褪せた世界の中でまだ鮮やかに泳ぎ回るシャチの水槽をぼんやりと眺めていた。
狭い空間に、コミュニケーションを取るシャチの高い声が聞こえる。
水槽に触れていると一匹のシャチが興味を見せ、近寄ってきた。
手を挨拶代わりに振るとシャチは頷きコミュニケーションの声を響かせた。
其の様子に目を細める。
過去の彼が絡んできた姿と重ねてしまったのだ。
本当に関わりが無くなってしまった。
……当たり前だ。
私が突き飛ばしたんだもの。
彼が私の思考に気づいている訳がない。
道化の彼に亀裂を踏み込みんで入れて、
私は勝手に拒んで距離を置いた。
叶うならば彼に会って話がしたい。
彼がそんな望みを赦すだろうか。
あの日頬に触れた接吻。
まだ体感が昨日のことのように残ってるんです。
あの日通路で抱き締められた。
坂口さんがあの後動揺していて、
首領との話が大変だったんです。
ほぼ毎日のように言葉を、
目を合わせていました。
今はもう屍と目を合わせる毎日です。
闇の中、
確かに貴方は生きていたんですよ。
傲慢だとつくづく思う。
脳裏に甦る世界が夢だと疑う。
でも残った心は正直だ。
話したい、と彼の事を離したくないと求めていた。
何度も息の根を止めるように締め付けられる。
”前みたショーより、
イルカが大きくなったな”
…イルカではなくこれはシャチです。
孤児扱いしてきた彼が隣に居る気がして、顔を向ける。
姿を認識するなり頭の中が真っ白になった。
……どうして……。
ほんの幾分か伸びた身長。
砂色の外套を纏う細身。
首から、手首から覗く包帯。
水槽の光を反射し、
蒼さを増すループタイ。
シャチを見つめる鷲色の目。
眼帯の無い世界を見つめている。
刹那、どくん…っと今まで生きていた中で強く心臓が高鳴った感覚が忘れられない。
色褪せた世界に色が甦り始めた瞬間だ。
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米粉めこ - 完結おめでとうございます！とても面白くて一気読みしました！ (11月29日 2時) (
レス) @page50 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
つくも(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2021年12月20日 16時) (レス) @page50 id: 3b5cd0d846 (このIDを非表示/違反報告)
amane(プロフ) - 一気読みしました。とても面白かったです！完結おめでとうございます。 (2021年12月20日 1時) (レス) @page50 id: 9f53b410f9 (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！読んでいてとても楽しかったです！！！ (2021年12月17日 6時) (レス) id: b0014f1469 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2021年12月16日 8時) (レス) @page50 id: 813026887d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白氷 | 作成日時：2021年10月1日 22時
