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上から下まで確かめるように貴方を見る中也君は続けます。
「甘ったるい香水。
普段とは違う化粧。
普段は着ないような服。
普段の倍、
時間かけてセットした髪型。
今笑ってる笑顔。
全然似合わねぇ」
大人びた空色の瞳が貴方を映します。
強ばる貴方の心境を見抜いていますね。
「なァ、この機に聞かせてもらおうか。
__”返事”を」
…返事。
___”迷惑になるけど……いいか”
其れは彼が大人の姿へ成った瞬間に小さな声で訊かれた事です。
口角の上がる中也君。
獲物を捉えた肉食動物の牙が僅かに姿を見せます。
自信満々のようですが……__
彼は隠しきれていません。
瞳に不安が揺らいでいますからね。
『返事はね……____』
抹茶ラテを一口、
飲んでから貴方は答えました。
『良いよ。
中也君は、中也君だもの』
沢山迷惑をかけて欲しいですよね。
そう告げます。
聞いている間、硬直していた中也君。
彼は乾いた笑いを溢して
「何だよ…緊張していた俺が莫迦みてぇ……」
肩の力が抜けたようです。
子供は敏感ですからね。
チラチラと視線だけで機嫌を伺っていた事ぐらい判りやすいものです。
彼には云わないでおきましょうか。
「おいっ…髪がぐしゃぐしゃになるだろ…」
例え見た目が大人でも、
中身は少年の中也君。
撫でると反抗的な言葉を紡ぎますが、
内心は嬉しいんですよ。
『気分が変わった。
この服装も全部辞め。
今日の任務は放棄しよう』
「はぁッ?でもいけないんじゃ」
『上司を使わせる貸しぐらい作ってあるよ。行きたい所へ行こ』
「そんなもんなのか………じゃあさ__」
目を輝かせて行きたい所を告げる彼。
子供は素直が可愛いものですね。
その後薬を飲んで戻った彼は一寸の間だけ年相応に甘えてきたようです。
.
.
「……何あれ…答えろ。
__…君にはどう見える」
「僕からは……交際している男女にしか__」
「ふぅん。
僕は今すぐ君の目に映る彼等を壊したいね」
遠くからカフェを見据える、
二つの黒が居るだなんて気付きません。
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聖良(プロフ) - 初コメ失礼します。この作品とても好きです。更新頑張ってください。ずっと応援しています。 (2023年1月15日 11時) (レス) @page47 id: 6b3156758f (このIDを非表示/違反報告)
白氷(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» ゆっくり更新ですが、気長に待ってくださると嬉しいです…!ショタは永遠です。これからも【双黒の育て方】をよろしくお願い致します! (2022年8月15日 21時) (レス) id: 390407dfce (このIDを非表示/違反報告)
白氷(プロフ) - まるさん» お久しぶりです。なかなか更新できる時間が少なく、更新を滞っていました……全部見直してくれるだなんて本当に嬉しいです。更新気長に待って下さい…! (2022年8月15日 21時) (レス) @page45 id: 390407dfce (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - また更新してほしいです。推しのショタって神ですよね(´∀`*)ウフフ (2022年7月30日 1時) (レス) @page43 id: 50d700a5ed (このIDを非表示/違反報告)
まる - お久しぶりです!最近はなかなか更新の連絡がないので少し心配でした(-_-;) いま、全部見直してきた所なんですが、やっぱり神ですね。死ぬほど神です。更新永遠に待ってます (2022年7月4日 23時) (レス) @page43 id: 5775e80e82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白氷 | 作成日時:2021年10月23日 17時