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参拾参 ページ34

『……』

「ほら、遠慮することはないよ」

拠点につくと、とある部屋へ通された

そして私の目の前にあるのは皿の上に乗った何かの肉

『……どういうつもりですか?』

私の隣で笑う森さんに苛立ち私は睨んだ

「なに、善意でやっていることだよ。少し提案があるんだけど…聞くかい?」

『提案?』

「ポートマフィアは血腥い仕事が多くてね…よければ此方で君の食事を用意しようかと」

ということは…やっぱり目の前にあるのは人肉か

『何が望みです?』

「なにもないさ。エリスちゃんの頼みでね……君の力になりたいんだそうだ」

エリスちゃんが…

『……分かりました。エリスちゃんの頼みなら私も受け入れましょう

では、森さんと中也さん出ていってください』

「は?」

『女の喰種は食事を見られるのを嫌うんです……なにも悪さなんてしないのでほっといてください』

「…なるほど。分かったよ、廊下に中也君を待機させるからお代わりが欲しくなったら言うんだよ」

そう言って森さんは出て行き、中也さんと2人きりになった

さっきの事もあるから少し気まづい…

「あー…じゃあ、ごゆっくり…?」

なんだそれは…

『ふふ、ありがとうございます』

「……おう」

中也さんが出ていったのを確認してから私は席につき、ナイフとフォークを持った

『……命をありがとう。いただきます』


ゴクン






『ご馳走様でした』

美味しかったからお代わりを3回もしてしまった…

「お前…結構食うんだな」

女性にそれはかなり失礼では?いやいいけど

『私なんて全然ですよ。喰種の中には毎日大量に食べる「大食い」も居ますから』

森さんに挨拶をしてから帰ろうかと思ったが、忙しそうだからやめた



『送ってくれてありがとうございます』

「いんだよ、気にすんな」

この人なんでポートマフィアなんだろ…紳士的で優しいのに…

『では、私はこれで…((「一つ言っておきてぇ事がある」

『?』

「太宰の肉食うくらいなら俺の肉食えよ」

『……は?』

何を言ってるのか分かってるんだろうかこの人は…

『…喫煙者はあまり美味しくないので嫌です』

「なっ…んで知ってんだ…俺はお前の前では吸ってねぇぞ」

やっぱり気使ってたんだ。やっさし

『喰種は鼻がいいんですよ

それに私…中也さんを傷付けたくないですから』

「…!」

『それでは、おやすみなさい』

私は中也さんに背を向けた

「……ずりぃ奴…」

中也さんが顔を赤くしてそう言ってるのを知らずに

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作者名:やきなす | 作成日時:2020年11月10日 11時

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