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「そ、それで…探偵のお二人の今日のお仕事は」

「虎探しだ」

「…虎探し?」

「近頃街を荒らしてる人食い虎だよ」

人食い……

ガタン!!

隣に座っていた中島は椅子から崩れ落ち、青ざめた顔をしていた

「ぼ、ぼぼ僕はこれで失礼します」

「待て」

中島は逃走しようとしたが敢え無く失敗

「む、無理だ!奴に人が敵う訳ない!」

「貴様、人食い虎を知っているのか?」

「あいつは僕を狙ってる!殺されかけたんだ!この辺に出たんなら早く逃げないと…」

ビタンッ!!

『!、ちょ…』

国木田さんは中島を床へ叩きつけた

「云っただろう。武装探偵社は荒事専門だと」

国木田さんは中島に脅しをかけた

それから中島は話し始めた

孤児院が虎に襲われた所為で追い出されたと

自分を追って街まで降りてきたと

中島の証言と目撃情報は一致していたようだ

……なんか違和感があるのは私だけか?

その時、ふと香った

人間ではない、"獣"の匂い

まさか…

「敦君、Aちゃん。これから暇?」

「…猛烈に嫌な予感がするのですが」

「君が人食い虎に狙われてるなら好都合だよね

虎探しを手伝ってくれないかな」

いやなんで私まで

「いいい嫌ですよ!それってつまり餌じゃないですか!誰がそんな!」

「報酬でるよ」

なにがどうして私が生きていて横浜にいるのか分からないけど、鳩も喰種もいない安全なこの街で住むのは悪くないかもしれない

それならまず金がいる

『…分かりました』

「物分りが良くて助かるよ」

「ち、因みに報酬はいかほど?」

「こんくらい」

見てみるととんでもない額

でも、中島は報酬なんて貰えるのか?

私の予想が正しければ恐らく虎は…




夜、とある倉庫にて虎を待つ

外に何人かいるな…三…いや四人か

私は何故か太宰さんに隣にいるように言われ、大人しく座る

そんな彼の手には『完全自 殺』と書いてある本

「…趣味の悪い本を読んでいますね」

「そう?中々興味深いよ」

やっぱりこの人間変だ…

「……本当にここに現れるんですか?」

「本当だよ。心配いらない」

「虎が現れても私の敵じゃないよ。こう見えても武装探偵社の一隅だ」

凄い自信…この人もしかして気付いてる?

途端に中島は自分を卑下し始めた

「いっそ喰われて死んだ方が…」

『っ』

パァン!

「…ぃ……A、さん?」

「…おや」

私は思わず中島の頬に平手打ちをした

四→←弐



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作者名:やきなす | 作成日時:2020年11月10日 11時

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