【文スト×東京喰種】人間になりたかった (ページ18)

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拾七ページ18

「A、私お腹が空いたわ。甘いものが食べたい」

『え？……あ、じゃあそこのクレープでいいかな？』

「うん！」

自分の手持ち多少持っていて良かった

クレープを目の前で作られる最中、吐き気を我慢するのに精一杯だった

購入後、またベンチへと戻り、エリスちゃんはクレープを頬張った

『…美味しい？』

「美味しい！Aは食べないの？」

『私は…お腹空いてないから』

「ふーん」

クレープを美味しそうに食べるエリスちゃんを見て、心が沈む

こればっかりは真似は出来ないな…

私まだサンドイッチくらいしか練習してないし

「エリス嬢」

「あ、中也！」

『？』

横を見ると帽子を被った橙色の頭をした小柄な男がいた

中也？リンタロウさんじゃない…けど、知り合いみたいだな

てかエリス嬢ってなに

「探しましたよ…首領が困っています」

「リンタロウの泣いてる顔が見たかったのよ」

エリスちゃん…なかなかいい性格をしてるな

中也と呼ばれたその男は、エリスちゃんが持っているクレープを見た

「世話になったみてぇだな…悪かった」

『いえ、全然…それじゃあ私はこれで』

その場から立ち去ろうとした時、服の袖を引かれた

「私、またAと遊びたい」

『え…？』

えっと、なんだっけこの感情……そうだ、『嬉しい』だ

『ありがとう。じゃあこれ、私の携帯番号とお家の住所。リンタロウさんに渡しておくんだよ』

「！、アンタ…」

『？』

中也さんがなにやら変な顔をした

なんか不味いことでもしたかな…

「ありがとうA！お手紙書いてもいい？」

『うん、待ってるね。ばいばい』

私達はそこで別れた

お友達って奴かな…人間の友達は初めてだ

いや、中島とかも一応友達なのかな…いやでも、仕事の同僚の方がしっくりくるな

「あ、Aさん！」

『中島…それに江戸川さんと太宰さん』

「買い出し行ってたんですか？半分持ちますよ」

平気だけど…まあいいか

『ありがとう。皆さんは仕事終わりですか？事件解決したんですね』

「当然！あんな事件僕の異能力を使えばすぐに解決さ！それよりAちゃん、江戸川さんはやめてよね。乱歩さんって呼びなさい」

『…ら、乱歩さん…』

「うむ！」

「僕も出来れば下の名前でお願いします…」

『…敦？』

「は、はい！」

なんでちょっと顔赤いんだ

「じゃあじゃあ私も…」

『太宰さん』

「なんで」

いやだってこっちの方がしっくりくるんだもん…

私達は雑談しながら事務所へ戻った