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9年後…

A
「冬真ー?
 宿題終わってるのー?」

息子の冬真は今日、9歳の誕生日

やんちゃ盛りだ…

正直、女親の私では手に余ることも増えてきた

さっきも学校から電話がかかってきたばかりで…

千冬が帰ってきたらに話さなきゃいけないことだ…

冬真
「まだー
 あとでやるよ」

そう言いながら、リビングのソファに寝転んで携帯ゲームをしている

A
「冬真!
 もう少ししたらパパが帰ってくるから、それまでに終わらなさい!
 トラくんも来るって言ってたよ」

冬真
「え、一虎が来るの!?
 この前格ゲーで負けたからリベンジしないと!
 母さん、一虎いつ来る!?」

A
「もうすぐ来ると思うけど…」

すぐ宿題やってくる!と冬真は自分の部屋に駆け込んで行った

なぜか、トラくんのことが大好きな冬真

赤ちゃんの時から面倒見てもらってるから、おじさん、というか、パパというか…

年の離れたお兄ちゃん、って感じみたい

お義母さんに、千冬の子供のころの写真を見せてもらったら、冬真と瓜二つだった

お義母さんいわく、千冬も子供のころはヤンチャでかなり手がかかったらしい…







夕方、玄関のドアが開く音がした

それと同時に、冬真が部屋から飛び出てきた

冬真
「父さん!おかえり!
 一虎は!?」

千冬
「ただいま
 一虎くんならすぐ来るぞ、今、バイクに施錠してる」

A
「おかえりなさい
 早く終われたみたいでよかった」

玄関まで迎えに出ると、着ていたジャケットを脱ぐ千冬

今日は冬真のためにお店を早めに閉店し、帰宅してくれた

冬真
「俺、下まで一虎迎え行ってくる!」

A
「ぁ、ちょっと、冬真!?」

そう言うと、ニコニコしながら玄関を出て行った冬真

千冬
「エレベーターで降りて駐輪場行くだけだろ
 心配すんなって」

そう言って寝室に向かう千冬

寝室でスーツから部屋着に着替える彼に声をかける

A
「今日、学校から電話があって…
 冬真がクラスメイトに掴み掛かったみたいで…
 本人に聞いても何も答えないし…」

千冬
「クラスメイトを、か…
 相手、怪我してねぇ?」

A
「ぁ、うん…
 叩いたりしたわけじゃないみたいだから」

千冬
「あとでちょっと聞いてみるか
 まぁ、お前はあんま気にすんな
 俺だってガキの頃は散々殴ったり蹴ったりしてたからな」

へへっ、と笑う千冬

相手を怪我なんてさせたら、本当に大変なことになのに…

なんだか、千冬はのんきな感じだ…

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作者名:神奈月 | 作成日時:2022年12月5日 18時

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