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一虎
「橘直人…
昨日の今日だ、あまりAを拘束しないでくれ」
Aさんと話をしたあと、待っていた羽宮くんにそう言われた
直人
「長時間、すみませんでした
ですが、時々話を聞かせてください…
東卍の暴走を、なんとかしなければなりません…」
彼女は小さく頷いた
羽宮くんに支えられるようにしながら、彼の車に乗り込む彼女
車が走り出すと、覆面の車両がそのあとを追って行った
東卍に関しては、今は重要人物だ
何かあっては困る
それにしても、なぜ松野千冬は彼女を東卍から解放することにしたのか…
東卍にとって有益な人物だ
仮に松野千冬と場地Aが恋人関係にあったとしても…
なぜ羽宮一虎に彼女を託したのか…
自ら手放した理由はなんだ…？
警察にまで協力を求め、彼女の身の安全を…
それからしばらくして、再び羽宮Aと話す機会ができた
ただし、今回は警察署ではない
こちらから、2人が生活する羽宮一虎のマンションに出向いた
それは先方の希望だったのだけど…
その理由は彼女に会って、すぐにわかった
その日、彼女の顔色は真っ青だった
あまりにも体調が悪そうなので、後日にしようと提案もした
A
「今日も、明日も、いつになっても多分体調は変わりませんから
だから、今日で大丈夫です…
…ごめんなさい、ちょっと…」
そう言うと彼女は席を立った
しばらくすると、ひどく咳き込むような声と、トイレの水がひっきりなしに流れる音
ふと、ある可能性に気が付いた
そして同じタイミングで、羽宮くんが口を開いた
一虎
「…多分、しばらくはあんな感じだから…
いつ落ち着くのか、よくわかんねぇけど…」
複雑そうな顔をしていた
直人
「…不躾なことを承知でお聞きしますが…
Aさん、もしかして妊娠、してますか…？」
一虎
「…うん…」
直人
「…君のその表情を見る限り、父親は、羽宮くんじゃない…
僕の推測ですけど…
松野千冬、ですね…」
一虎
「…そうだよ」
全てが繋がった
松野千冬は彼女とそのお腹の子を東卍から遠ざけようとしていた
彼女1人なら近くにおいていてもよかったはず
そうしなかったのは、別の命も守るため
確かに言っていた
一般社会に帰したい、と…
彼自身は東卍からは抜けられないから
信頼する羽宮くんに、彼女たちを託した
羽宮くんも、全てを承知した上だったんだ…
一虎
「千冬が言ったんだ…
自分が生きた証を守りてぇって…」
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神奈月(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。お話は佳境ですが、みなさんに楽しんでもらえるようにがんばります。 (2022年11月27日 7時) (
レス) id: d80d51a44f (このIDを非表示/違反報告)
あい - いつも更新を楽しみにしています。千冬と一虎、これからヒロインとどんな結末が待ってるのかとても楽しみです (2022年11月26日 16時) (レス) @page39 id: c280eab537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神奈月 | 作成日時：2022年11月1日 13時
