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千冬
「…悪かった…
 場地さんのこと、守れなくて…
 俺、わかってたんだ、場地さんは東卍を裏切ってねぇって…
 でも、救えなかった…」

A
「…そうゆう思いすら今は忘れ、あなた達はどこに向かってるの?
 東卍に恨みを持つ私をここに連れてきて…
 それとも、私が東卍に連れてこられてきたのも、運命かしら…
 圭介の復讐(リベンジ)を…」

千冬
「…わかったから…
 とりあえず、これはしまえよ…
 大事なもんなんだろ…
 こんなことに使うなよ」

Aの手は震えてる

ナイフを納めるように促し、彼女の手に自分の手を添える

驚いたのか、思わず手を引っ込めようとする

でも、所詮女の力で敵うはずもない

観念したのか、その握る手が緩んだ

力なく、パタっとAの腕がベッドに落ちた

Aからそれを取り上げて、折り畳み式の刃をしまう

千冬
「ほんとは、こーゆーの持たせたくねぇけど、返す…
 場地さんのだもんな…
 俺じゃなかったら、そのまま取り上げられてんぞ
 …大事に持っとけ…」

俺がそう言うと、Aは泣き始めた

ずっと、場地さんの仇をとりたかったんだろうな

東卍全てが敵なんだよな…

俺だって、仇をとりたくて、いまだに稀咲を追ってる

お前も、俺も、あの日から前に進めてねぇんだ、きっと…

気付いたら、泣いてるA抱き寄せていた

俺、何してんだろ…

千冬
「泣くなよ…」

気の利いた言葉なんて言えねぇ

千冬
「なぁ、頼むから、泣くなよ…」

圭介…、とAは小さくつぶやいた

泣かれてる苛立ちなのか、なんなのかわからない

気が付いたら、またAに覆いかぶさってて、唇を塞いでいた

俺の胸を押して、なんとか逃げようとするA

少し唇を離せば、俺を睨みつけてきた

千冬
「…俺、場地さんのこと忘れた日なんて1日もねぇ…
 …稀咲だけは絶対に許さねぇ
 それは今でも変わってねぇよ
 あいつは、絶対に俺が東卍から追い出す」

俺がそう言うと、全てを諦めていたようなAの目に、光が戻ったように見えた

すっ、とAの小さい手が俺の頬に触れた

A
「…圭介と…」

千冬
「ぇ…?」

A
「松野千冬、今のあなたは、あの頃の圭介と同じ目をしてる…
 守りたいものがある、っていう目…」
 
どうゆう因果か、東卍に恨みをもつAが東卍に引き込まれた

これが、傷の舐め合いっていうんだろうか…

それでもいい、理由なんてなんだっていい

今は、Aがほしい

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 松野千冬 , 羽宮一虎   
作品ジャンル:恋愛
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神奈月(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。お話は佳境ですが、みなさんに楽しんでもらえるようにがんばります。 (2022年11月27日 7時) (レス) id: d80d51a44f (このIDを非表示/違反報告)
あい - いつも更新を楽しみにしています。千冬と一虎、これからヒロインとどんな結末が待ってるのかとても楽しみです (2022年11月26日 16時) (レス) @page39 id: c280eab537 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神奈月 | 作成日時:2022年11月1日 13時

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