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明日になれば、Aが戻ってくると思ってた
でも俺は、事態を甘く見ていた…
人生、うまくいかないことのが、多いらしい…
午後はなんとか仕事をこなし、俺はマンションに帰るなり、そのままソファに倒れ込んだ
なんも考えたくない…
昼間、一度だけAに電話をしたが、繋がらなかった…
折り返しの連絡もない
カチカチと時計の秒針が進む音だけが部屋に響いている
俺はそのまま眠ってしまっていたらしい
どのくらい眠っていたのかわからないが、頭がぼぉっとする
そんな時、部屋のインターホンが鳴らされた
一瞬、Aかと思ったが、Aは合鍵を持っているからインターホンを鳴らすことはない…
ドアホンで確認すると、タケミっちだった
リビングに招き入れると、タケミっちの表情は硬い
…俺も、今日は一日そんな感じの表情をしていたのかもしれないな…
タケミチ
「夕方、一虎くんから連絡もらって…
千冬のこと心配だから、様子見に行って欲しいって…」
千冬
「…そぅか…
…あの人らしからぬ行動だな…」
俺はソファ座り、タケミっちは床にあぐらをかいて座った
タケミチ
「…実はさっき、Aから連絡があったんだ…」
千冬
「本当か…!?
あいつ、無事なのか!?」
この際、俺のとこに連絡がなかったことはどうでもいい
Aの安否だけが最優先で知りたいから
タケミチ
「無事だと言っていた
けど、自由に連絡できないらしい…
…あいつ、言ってた…」
千冬
「…何を…?」
タケミチ
「…千冬のことを頼む、って
…千冬の幸せを願ってる、って…
自分にとって、この未来は辛いけどがんばる、って…」
千冬
「…な、なんだよ、それ…
意味わかんねぇ…」
タケミチ
「あいつ、今自分の身に何が起きてるのか、一切話さなかった
きっと、俺たちを巻き込まないようにするために…
結局、何が起きてるのか、わからないまま電話が切れちまって…」
そか…
でも、とりあえず無事なのはよかった…
けど、まるでもう会えないかのような言葉…
安否がわかった途端、別の不安でいっぱいになる…
Aとココくんのことだ…
なぜあんな記事が出たのか…
それに、ココくんが本当に梵天の幹部なのか…
いや、おそらくココくんは梵天の幹部だと思う
…そう考えると、Aの安否の信憑性にも疑問が…
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作者名:神奈月 | 作成日時:2023年11月5日 13時