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「もしもし」
「司…?お母さんだけど、Aちゃん見つかったって…」
「っ!どこ!?」
「……今から総合病院にきてちょうだい。詳しいことは直接話すから」
ブチッ
いきなりの母からの電話に呆然としながらも、足は病院の方へ向かっていた。
幸い、僕たちがいる場所から病院まではそれほど遠いわけでもなく、歩いて15分くらいだった。
総合病院だけあって中はとても広く、平日の夜にも関わらず人が多い。
母はロビーの椅子に座り僕達を待っていた。
「母さんっAは…」
「落ち着きなさい、今病室で眠っているわ。…Aちゃん、道端で倒れていたところを通行人の方が救急車を呼んでくれて助けてもらったみたいよ。」
「倒れてたって、」
「そりゃあ、あれだけの熱があれば無理もないわ。それに外に出た理由だってちゃんとあるの。救急車で運ばれているとき意識が朦朧としているなかでずっと司って名前を呼んでいたって先生がおっしゃっていたのよ。多分、司を探してたのね…。」
僕を探していた…?なぜ?
彼女には夕方には帰ると言ってあったし、いくら寂しかったとはいえ動けない体ではどうしようもない。それが顔に出てたのか、母さんはとりあえずここで話していても仕方ないと言って病室まで案内してくれた。
病室のドアをそっと開けると、天的に繋げられて最後に見たときよりかは穏やかな表情をして眠っている彼女とそのそばに座っている父さんがいた。
「…っ」
「ああ、やっときたか。たるとくん、悪いね。司に付き合ってもらって…」
「いえ、俺もAちゃんのことが心配ですから。」
「そうか…、司、今からたるとくんと母さんで先生を呼びに行ってくるから、Aちゃんのこと頼んだよ。」
「そうね…、たるとくんいいかしら?」
「俺は全然構いませんよ。それじゃ、司後でな」
結局、僕は一言も話せず返事すらできなかった。
Aが見つかったことの安堵からか、それともこうして横たわっている彼女への悲哀か。
彼女を起こさないように父さんが座っていたところに静かに座った。
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長くなりそう…。
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猫狐(プロフ) - 光芒さん» ご指摘ありがとうございます。外し忘れていたようです。すいません。 (2016年12月29日 11時) (レス) id: c91017cc56 (このIDを非表示/違反報告)
光芒(プロフ) - あの,この作品は2次創作ですよね?でしたらオリジナルフラグははずさないといけないのではないでしょうか?違ったら御免なさい。コメント失礼しました。 (2016年12月29日 5時) (レス) id: 86ba02c6f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫狐 | 作成日時:2016年12月26日 2時