3-1 ページ6
Root Side
本当にお酒が好きなようで、まだ乾杯中の中彼女は嬉しそうにハイボールを口にしていた。
「幸せそう。よかったね。」
「久々に飲んだもん幸せ〜。」
隣に座った友人に今日初めて見せたんじゃないかと言うようなおそらく彼女本来が持つ笑顔。
…ってなんで僕こんなに目で追ってるんだろう。
そんなことを一瞬考えたが、おそらくこの4人の中で一番彼女に興味をそそられたからだろう。
半個室のこの中では、視線の対象が限られるせいだと言い訳をする。
「じゃあまず自己紹介から！今回男性陣の幹事を務めています直樹24歳でーす！面白みもなく営業やってまーす。趣味は旅行です。全体的に面白みがない人間ですがその場を楽しませることだけは得意です！よろしく！」
「こいつ、割と大企業だからね。」
「え〜そうなんですか！？どこなんですか！？」
「〇〇って知ってる？医療機器系の会社なんだけど」
「めっちゃ大企業じゃないですか〜！」
「あっ、もしかして仕事そっち系？」
「ちょいちょい、進まなくなるから。次。」
「ちぇーっ。」
「えー、健太です。同じく24歳。教師やってます。仕事忙しすぎて気づけばこんな年になっていました。」
「こんな歳ってまだ2年しか働いてないやろ！」
笑いが起こる。
みんなすごいな…。
自己紹介だけでこんなにも盛り上がれる物なのか。
話す仕事をしている身ながら、周りの口のうまさに驚嘆する。
「雅也です。23歳です！音楽系の仕事してます。」
「音楽系って？」
「まぁまぁ、そこはあまり突っ込まないで。」
というか職業言う流れ、どうしたらいいのだろうか。
あまりるぅと、とバレたくない。
たった3人の自己紹介なんてあっという間に自分の番だ。
「えっと…颯太…です。23歳です。ネット関係？の仕事をしています。よろしくお願いします。」
「ネット関係ってIT系？」
「いや、そんな大それた物じゃないです…。」
「趣味とかないの？」
あぁ、本当に話すのが苦手だ。
視線が集まることに慣れているはずなのに、やはりこういう場は少し違うようだ。
「えー音楽鑑賞？」
「こいつまじ歌うまいから。」
「え〜！聞きたい〜！」
「流石にここでは…。」
「そりゃそうだ。」
周りが上手く盛り上げてくれたおかげでなんとか乗り切れた。
緊張で乾いた口をコーラで湿らせれば、パチパチと弾け破れる炭酸に流されていくように感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 278人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唯凛(プロフ) - 蝉-ｾﾐ-さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張ります！また見にきてくださるととっても嬉しいです(^^) (2021年12月5日 19時) (
レス) id: 365f6982f1 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - みなさん» ありがとうございます〜！！ついに(?)新作出せました〜！宣言してからだいぶ経ちましたね…(汗) 相変わらずのんびり幸せの詰まったお話にしたいな〜と思いつつ、起承転結つけられるよう頑張ります！ (2021年12月5日 19時) (レス) id: 365f6982f1 (このIDを非表示/違反報告)
蝉-ｾﾐ-(プロフ) - 好きです。(唐突)面白い上に文章が素晴らしくて尊敬します(´；ω；`)次の更新がとても楽しみです。失礼します。 (2021年12月4日 23時) (レス) @page13 id: 19d8717651 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 新作おめでとうございます！そしてありがとうございます！笑 これからどんな展開になるのか…楽しみです！！ (2021年12月4日 18時) (レス) @page13 id: 73aaf1c921 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：唯凛
| 作成日時：2021年12月4日 16時
