342-2 ページ19
「…昔ね、ママとパパが話してたの盗み聞きしちゃったんだ。このまま外で喋れなかったらどうしよう、って。就職もできないし、なんなら進学だってできないかもしれないって。怖くて泣きながらころちゃんに話したらね、僕がAちゃんと結婚する、って言ってくれたの。だから…なんていうか…Aにとっては…。」
な『Aちゃんにとっては、結婚するのが選択肢っていうより、逃げになっちゃってるのかな?』
電話口じゃ見えないのに、思わず頷く。
それを見透かしたようになーくんはそっかぁー、と呟いた。
な『じゃあさ、一回社会に出てみればいいよ。』
「…アルバイトとかってこと?」
な『やりたいこと、とかは関係なく、まずもっと社会に触れてみたら見方が変わるんじゃないかな。Aちゃんは、やれることで探すから難しいんだよ。当たり前だけど誰だってみんな最初はできないんだから。』
「でも…Aお話ができないから…。」
な『だーかーら、話せるようになればいいんでしょ?でも、とかだって、って言ってばっかじゃだめだよ。俺たちとも話せるようになったんだから。』
何も言い返せない。
痛いところをつかれている。
やりもしないで逃げてるのが自分だなんてこと、わかってた。
けれど、理屈じゃない。
理屈で声が出ていれば、とっくに話せている。
出したいのに声が出ない、そうやって悩んできたのだ。
傷付いてきたのだ。
な『って、出来てたらでも、なんてAちゃんは言わないよね。』
「なーくん…。」
な『うん。だから、話せる環境でやってみればいいんだよね!もしかしたら話せるようになるかもしれないし!』
「…?どういうこと?」
な『うちで、バイトしてみない?』
「うち…?なーくんのお家?家政婦?」
な『違う違う!STPR!』
なーくんは電話口でまるで交渉するように会社の説明をする。
難しくて理解はあまり出来ない。
だけど、答えは決まっていた。
「…やる!!やってみたい!」
な『おっ!…うん。やってみようか。』
Aが何かできるのは、いつだってころちゃんのそばだった。
新しいことは、いつだってさとみくんが居るところだった。
"ころちゃんとさとみくんの居るところ"
それだけで、妙に自信が沸いた。
447人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
マスケラータ【水】
A lifetime of happiness with you【ぷりっつ】【AMPTAK】
【prsk】ニーゴの広報担当、スカウトされる。【stxxx】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唯凛(プロフ) - まきさん» コメントありがとうございます!只今異議申し立て中です…。まだ成長の段階ですが、どこかで進化と言える頑張りを夢主ちゃんが出来たらなぁ、と思ってます!見守ってくださると嬉しいです。リクエストありがとうございます!プリクラ!?今どきのプリ勉強してきます🥰 (2023年2月6日 10時) (レス) id: f00eb422ad (このIDを非表示/違反報告)
まき - 更新お疲れ様です!Twitter凍結大丈夫ですか…?早く溶けるといいですね🥲 夢主の頑張ってる姿を親のような目で見てしまいます…(笑) リクですか…めんばーやお友達とかとプリ撮りに行った…みたいなの見てみたいです…! (2023年2月4日 23時) (レス) @page37 id: e61b279a74 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - milkさん» コメントありがとうございます!そんなこと言っていただけるなんて光栄です(՞ ܸ. .ܸ՞)︎♡ 楽しんで頂けるストーリーが作れるよう、また少しでも癒しになれたら幸いです! (2023年1月11日 16時) (レス) id: f00eb422ad (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - れんさん» コメントありがとうございます!!長いのに一気読みありがとうございます。めっちゃくちゃ嬉しいです!!無駄に長くなっていますが、飽きられないよう更新頑張っていきます(^ ^) (2023年1月11日 16時) (レス) id: f00eb422ad (このIDを非表示/違反報告)
milk - とても大好きで読み終わった今でも一気読みしてます...!帰ってきたら毎日読んでます☆! (2023年1月6日 16時) (レス) @page31 id: aba723ccaa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:唯凛 | 作成日時:2022年5月8日 16時