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こ「起きた。おはよ。てかさとみくん寝れた?」
さ「おん。一応。ころん、水。」
こ「あー…ばーか。」
困ったように笑いながらかけられた言葉に返す言葉もなくてさとみくんに隠れる。
こ「ほい。」
「ありがと。」
差し出してくれたお水を受け取る。
冷たい水が体に染み渡る。
そんな私を見てぐしゃぐしゃと乱暴に撫でてくるのは意地悪だ。
「ん〜!」
な「あははっ。割と元気そうじゃん。」
その声に振り返る。
いつもみたいに、普段通りに笑ってるなーくん。
帰らないで居てくれたんだ。
なーくんの袖にそっと触れてみる。
「…帰らなかったの?」
大丈夫。
声が出る。
な「うん。みんな居るよ。」
なーくんは、まるで私が前から話せてたみたいに表情一つ変えずに言葉をくれた。
昨日もそうだった。
昨日はほんの一瞬驚いていた。
けれど、それを隠してるつもりはなーくんに取ってはないのかもしれないが、すぐにいつも通りの顔で笑い返してくれた。
私が話せないことも、私が話せたことも、なーくんに取っては重要項目ではなくて、相反することなのに当たり前だというように。
それがなんだかころちゃんに似ていて、私という存在そのものを肯定してくれているように感じたんだ。
だから、なーくんはホッとする。
こ「居なかったら拗ねるくせに。」
そんなわがまま言わないもん。
寂しくは…思っちゃうけど。
冷たい水を飲んで幾分かスッキリした頭をできるだけ揺らさないようにしながらリビングへ向かえば、ジェルくんと莉犬くんが大きな欠伸をしながら体を起こしていた。
毎度のことながら、私がベッドを占領するせいで、みんな床で寝ていて申し訳ない。
り「おはよう、Aちゃん。」
ジ「…おはよーさん。」
ジェルくんは寝起きが悪いのか、ボーッとしている。
初めてじゃない挨拶。
なのに緊張してしまう。
言葉が詰まって出てこない。
さっきは言えたのに…。
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唯凛(プロフ) - 友達に腹黒ドSサイコパスと言われた…さん» コメントありがとうございます!こんな拙い文章でも読んでいただけるだけで嬉しいのに、好きなんてめちゃめちゃ嬉しいです…!ちまちまと書いていきますので、これからも読んでいただけますと幸いです(^^) (2022年2月2日 20時) (レス) id: 1a2f301bb5 (このIDを非表示/違反報告)
友達に腹黒ドSサイコパスと言われた… - こんにちは!更新されてる!大好き過ぎて…いや、『愛してる』って告白したいくらいこの作品好きで、毎日のように確認してました!グヘ、グヘへ〃´∀`〃((殴⊂`д´⊂これからも応援してます!!更新ゆっくりで大丈夫なので頑張ってください! (2022年1月31日 23時) (レス) @page47 id: 95427cdf5c (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - らいか。さん» コメントありがとうございます!無駄に長くなっているのに見返していただけてるなんて…!!まだまだ続きますが、読んでいただけたら幸いです。楽しんでいただけるものを書けるように頑張ります!! (2022年1月24日 18時) (レス) id: 7d79fc65fd (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - ぽわさん» コメントありがとうございます!大好きなんて言っていただけてとっても嬉しいです!読んでいただけるだけでも嬉しいのに、コメントいただけて本当嬉しいです。励みになります!かなりのんびり更新になっておりますが、これからも読んでいただけたらとても嬉しいです! (2022年1月24日 18時) (レス) id: 7d79fc65fd (このIDを非表示/違反報告)
らいか。 - こんにちは!この話大好きです!更新ないときも今までの見返してずっと待ってますね!これからもよろしくお願いします!頑張ってくださーい! (2022年1月23日 7時) (レス) @page45 id: 843b3dd826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯凛 | 作成日時:2021年11月2日 6時