話したい14【桃】

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Satomi Side

1週間、当たり障りのないような話しかしていなかったからほんの少しだけ心配していた。
けれど、元々自分も連絡マメではないし、Aちゃんも忙しいだろうと思って特別連絡もしていなかった。
楽しそうに抱きついてきたAちゃんを見て安心した。
コロコロ変わる表情、ぴょこぴょこ動く姿楽しそうでなにより。
その表情にふと湧いてくる“好きだなぁ〜“って感情を素直に受け入れる。


さ「心配してたけど、楽しそうでよかった。」


そう伝えれば相変わらずコロコロと表情を変える。
でも最後にはうんって頷く。
突然抱きしめられたかと思ったら耳元に愛おしい声。


「たくさんお話し聞いて？」


勇気を振り絞ったのか、恥ずかしそうに照れて笑っている。
学校近くは人通りも多い。
今までだったら絶対に声を出さなかった場所だろう。


さ「うん。たくさん話して。」


こうして、少しずつ、それでも頑張って前に進もうと努力する彼女の姿に惚れ直させられる。


こ「遅い。」

さ「はいはい。」


頑張った彼女に少しでもの賞賛を込めて頭を撫でたら嬉しそうに笑っていた。

そんな彼女の手を引いて店の中に入れば、相変わらずジェルを見つけて飛びついている。
離された手をほんの少し寂しく感じながら、れいらちゃんの隣を一つ空けて座る。


な「なんかすごく楽しそうだね。思ったより表情明るい。」

さ「ん？あぁ、Aちゃん？」

な「ころちゃんもさとちゃんも言ってたから。それもあってご飯誘ってみたけど、杞憂だったかな。」


そう、今日は珍しくなーくんが誘ってくれたのだった。
いつもは忙しいなーくんだから、自分から言い出すわけではなく、メンバー誰かが言い出したのに乗ることが多かったから、珍しいなと思っていたらそういうことか。

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